西陣織といえば、帯の産地としても有名ですが、唯一織物の着物が作られていることをご存知でしょうか。
それが「御召」という着物です。
御召は染めた着物でもなく、紬の風合いとも異なるもので、色柄によって、お茶やパーティの席に装うこともできれば、街着としても楽しむことができます。
その御召を作られている数少ない作家さんに曽根武勇(そねぶゆう)氏がおられます。
曽根氏は、その道の第一人者でいらっしゃって、その作品は染の着物では表現できない織物の技をもって、フォーマル着からカジュアルまで幅広い着物を作られている方です。
今回はその曽根氏の作品を通しておしゃれな着こなしを提案させていただきます。

『御召(おめし)』
(出品のお品)
●訪問着 ●紋織ボカシ無地 ●縞や格子柄の着物(袷ものと単衣もの) ●西陣袋帯など

御召の着物をコーディネート
御召の着物をコーディネート

上の着物は、西陣織で織られた御召になります。
ボカシの絵羽付けと言いまして、訪問着の一種になる着物で、京都西陣で糸を染めてから手織で作られたフォーマル着となるものです。
あっさりしていて、品のいい着物だとは思われませんか?
こちらの御召は、曽根武勇(そねぶゆう)さんという御召作家が作られたもので、他に類を見ない着物かと思っております。
染めたボカシ染め着物は多くありますが、織物でボカシが合うように織るには、熟練の技が求められるもので、織り上げたときの生地の風合いやしなやかさは、柔らか物の着物とはまったく別物だからです。

御召の着物
御召の着物

この画像は、今ほどの着物を拡大したもので、菱の地紋を浮かび上げながら糸を渡していく織り方で、しかも、糸の色の濃度を考えながらボカシを入れているものです。
なので、多くある西陣織の御召と比べると、ひと手間も二手間も加えた着物と言えるでしょう。
これが曽根武勇氏が世に送り出す、織物のフォーマル着なんですよ。
お茶席や様々な式典にも着れて、帯の合わせ方ではおしゃれ着にもなる、味のある着物と言えるでしょう。

御召の着物を辻が花の帯でコーディネート
御召の着物を辻が花の帯でコーディネート

一方、こちらも曽根氏の作品で、カジュアルな雰囲気が漂う西陣御召になります。
色合いや柄の取り方で趣がガラッと変わりますが、織物で作られたおしゃれ着の一品です。
ここでは、紬地に辻が花を絞り染めした帯で大人の魅力を演出させていただきましたが、とっても素敵でしょう。
きもの通の雰囲気が表現させているかと思っておりますが、モダン派の方には心惹かれるものがあるのではないでしょうか?
せっかくなので、帯〆帯揚げの色を入れて踏み込んだおしゃれをコーディネートしてみましょう。

御召の着物を辻が花の帯でコーディネート
御召の着物を辻が花の帯でコーディネート

好みが別れるかもしれませんが、あえて、エメラルドグリーンの帯〆と少し濁った帯揚げで装いを整えてみました。渋いですが、それが返って魅力的で味が出たように思っております。

御召展ではこのような感じの曽根氏の御召を4月20日(金)~23日(月)の間、店内特設会場にて紹介させていただきます。
あまり見ることが少ない着物かと思っているので、是非とも足を運んでいただいて、私の言葉では伝えきれない御召の魅力をご自身の目で触れてみて下さい。

 

『話題を集める 男物きもの』
きものと羽織の色を違わせた着こなし方って、オシャレだとは思われませんか?

●御召のきものと羽織(袷ものと単衣もの) ●角帯(博多帯など) ●雪駄(M、L、LL寸)オーダーメイドも可能 ●洒落た長襦袢 ●巾着やバッグ

男物の着物を御召でコーディネート
男物の着物を御召でコーディネート

男物は御召という着物のジャンルでは同じですが、曽根氏は男物を手掛けておらず、他社で織られた男物御召を20日からの会で紹介させていただきたいと考えております。

上が御召という着物生地で着物と羽織の色を変えてコーディネートしたものです。
おしゃれな感覚が見て取れるかと思いますが、こうして色の組み合わせで品格を出すこともできれば、街着としても着ていただけるが御召という織物の着物かと考えております。

それは紬とは少しばかり風合いが違い、お茶をたしなむ殿方や人前に出ることの多い方は、着物と羽織の色を変えて、御召を着装されている人が多いのではないでしょうか?
この御召は裏地を付けて袷の着物にもできれば、裏地を付けない単衣物としても着ていただける着物です。
単衣物はこれからの季節のもので、盛夏を除く、9月・10月時分にも着れる着物になります。
今回は御召の色合いを揃えて、おしゃれな着こなしを提案させていただきたいと考えておりまして、角帯から男物の長襦袢やオーダーメードの雪駄に巾着まで、男物の装いにもこだわってみたいと考えているところです。

ここ最近、男物の着物相談を受けることが多くなっておりますが、どこの店も男物を揃えていらっしゃる店が少なく、御召展の括りで男物も特集させていただきますので、是非ともこの機会に殿方のおしゃれな着こなしを完成させてみて下さい。