コロナ新規感染者が減少傾向にあり喜ばし思っていますが、お客様の消費が戻って来たとは言いにくく、店作りの難しさを感じております。
そうした中で明日は加賀友禅作家・大久保謙一氏をお力をお借りして、店内で大久保氏の「よもやま話」をしていただくことになっていまして、午前と午後の2部に分けて13名のお客様を迎えてつかの間のひとときを過ごすこととなっております。
よこやまというのは、「四方八方(よもやま)」が、変化したものではないかといわれています。
四方八方(しほうはっぽう)、つまりあちらこちらという意味だそうです。
日本は、山の多い国・・・・・四方の山で見てきたこと、聞いたことで、話に花が咲くということも多かったのでしょう。
また、山盛りの話題という感じがして、「四方山話」という言い方が親しまれてきたのではないかと想像されます。
「話す」の語源は「放す(はなす)」だそうで、心を解き放つということで、解き放す心と受け止めてくれる心が楽しそうに行ったり来たり。
大久保氏のお話がそんな関係性を生んでくれることを期待しておりますが、これまで加賀友禅作家さんの話しを生で聞くことがなかったので私としても楽しみにしているところです。
その「よもやま話」に合わせて、10月に開催する神無月の会の「チラシ」と10月号の店の情報紙を「あ・うん」を準備することができました。
どちらも手作りで構成させていただいたもので、今日は「あ・うん」を仕上げるとに必死になっていましたが、ギリギリ間に合って穏やかに気持ちでいるところです。
コロナ禍で店作りが難しくなっていることをお話ししましたが、このような印刷物を用意する度に思うことは、この店がお客様に役立つ店になっているかを問いただす機会になっていて、商品を販売する前に信頼を集めることが「店が存在する意味を持つ」と考えているんですね~
店を取り巻く環境は、きもののことが分からない人や、先人たりが築き上げてきた日本の文化や歳時記を知らないままに生活を送っている人が多くいらっしゃいます。
例えば七五三参りを一つ取っても、深い意味を知らずして七五三を迎えている人が少なくありません。
高価な着物が箪笥にタンスに眠っているけれども、いつ着ればいいのか、着物を着るのに何が足りないのか、きものの管理をどのようにしたらいいのか分からない人が山のようにいます。
そんな人達に少しでも寄り添う店になれたらと発行しはじめたのが、情報紙「あ・うん」です。
今回で258回目の発行になりますが、店作りの基本になっていることを気がしてなりません。
その一方で、きもの愛好家に役立つ情報も欠かせなくなっていて、半年の一度開催する「卯月の会」と「神無月の会」はきもの専門店を目指したいと思う店の願い秘められているといってもて過言ではありません。
この両輪を動かしながら店の役割がなんであるかを四六時中考えて仕事と向き合っています。
しかし信頼を集めているとは言い難いものがあり、根気よくコツコツ積み上げているのが現実といえるでしょう。
言葉を換えるなら、まだまだ私にできることがあるから頑張っていられるのかもしれません。
踏み出すことへの不安、努力が必ずしも実を結ぶとはいえないだけに、私はこの仕事を好きになろうとしているのかもしれません。
どうであれ、私にはこの仕事しかできません。
悔いが残らない人生を送るためにも、自分を信じて燃え尽きるまで駆け抜けたいと思っている私です。
それではこれにて・・・
お休みなさい。