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4月になってブログ記事をしっかり投稿出来ていないので、今日は頑張ってみようと思っています。
京都で選んだ商品が入荷し、値段付けや新商品のレイアウト、それにお客様の接客等で何かと気ぜわしい一日になりました。
そんな今日の記事は仕入れ先で目にした国産の籠バッグから・・・・・
見事な職人の技に心引かれ、本物の素晴らしさを感じましたが、皆さんはこの商品をおいくら位だと思いますか・・・
軽く10万円は超える高級品なんですよ。
素朴感と高級感を兼ね備えた伝統の技に哀愁のようなものを感じ、品揃えをしたいのですが、どうしたものか正直迷っています。
そんな気持ちでいると、どのような商品に合わせようか、つい考えてしまいます。
ここにアップした石川県羽咋市織られている単衣物の士乎路(しおじ)紬などに合わせてみたらどうなるでしょう・・・
当然草履は畳表の5段を合わせ、帯はちりめん素材の染帯でコーディネートしてみましたが、シンプルな装いの中に、それぞれのパーツにこだわりのようなものがあって、私は好きですね~
それに、向いている方向性がみんな良く似ていて、おしゃれだと思いませんか・・・
前の方もコーディネートしてみましょう。
ちりめんの染め帯の地の色は濃紺です。
なので、帯締めを濃紺と白の水引になったものを合わせてみました。
この帯締めの合わせ方、ポイントが高いと思いませんか・・・
帯揚げは帯の中にある金茶色をベースに遊び心のある猫の模様を選んでみました。
帯揚げの出し方ですが、チラリと猫柄が見えたら楽しいでしょうね~
実はこの帯揚げ、県外の方からの問い合わせがあったもので、今日のコーディネートに使わせて頂きました。
帯揚げは ¥13、650 帯締めは ¥10、500です。
哀愁漂うコーディネート、いかがでしたか。
このような紬でおしゃれして、街をぶらつきたいですね~
とりあえずここで一度アップしてみます。
ここからは、昨日書いた京都の話を綴ってみようと思っています。
書き終えたら、もう一度アップします。
さて、ここからは時間に追われることなく記事を書くことができます。
「時代が違う3枚の京都の地図」
4月に京都は、今の経済状況と近年の流通の変化で、川上と言われている物作りの職先の苦労を知らされました。
仕事が少なくなって職人が他の仕事に変ったり、高齢で廃業したりで、次の担い手がいないというのが現状のようです。
この状態が続くようであれべ、上流から下流へと新しい水が流れないことが起きるのではないでしょうか・・・
つまり、物作りをしている川上が枯れて、末端の消費者である川下に、新しいものが流れてこないという現実が起きようとしています。
ある職先の社長さんの話です。
15年近く前に作った着物をもう一度作ろうと思っていたら、作れる職人がいなくなっていて、作ることが出来なくなっていた。
そして、そのことを裏付ける資料を他の職先で見せて頂きました。
それは「3枚の地図」です。
その地図は染織業界の所在地だけが記されている地図でした。
最初の一枚は昭和10年のもので、京都の室町通りと新町通りに密集して集まっていました。
それが昭和60年の地図になると、密集地から飛び火したかのように円を書くようにして業界人の会社が広り、賑わいをみせていました。
ちょうどその頃は、日本経済も「行け行けドンドン」の時で、バブル経済といわれたときです。
そしてバブル経済が弾け、近年の平成の時代になると、その地図から多くの会社や職先が消えていて、表現が適切ではありませんが、アルツハイマー状態のスカスカの地図になっていました。
この地図を見せられて時には本当に驚きましたし、市場が小さくなっている現状を現実のものとして知らされました。
どうして、着物の産地と言われている京都が、こんなことになってしまったのでしょう・・・
いろんなことが、山のようにして上げられますが、結局は着物離れが進み続けているということだと思います。
生活者に一番近い小売店の責任も大きいのでしょう。
お客様からよく言われる不満の言葉に、「呉服屋さんは敷居が高くて相談がしにくい」とか、「知らない店に行くと売り付けられるみたいで怖い」など、お店に近づけない環境があることを話さいます。
とても悲しい話です。
私のような小さな店に何が出来るのか・・・・・
また、私の店が何かを変えたからと言って、和装業界が変わる訳でもありません。
でも、将来の事を考えると心配でいられません。
せめて若い世代の方に、洋服ではできないおしゃれが、着物にはあることを伝えるというのはどうでしょう・・・
それに、気軽に相談してもらえる関係を築くことだって、知恵を絞れば出来そうです。
そして、そのことが大きな力になり、何かが始まるきっかけになる気がしてなりません。
現状を見て悲観することは止めにしましょう・・・
そのことより、何が出来るのかを考えた方が楽しいのでは・・・
この記事を書きながら、ここに着地してしまいましたが、キットの世界が必ずあると信じている者の一人です。