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日々忙しい時間を過ごしていると、先々のことを置き去りにしまいがちになるのが私達人間です。
そして、行き詰ってから「どうしょう・・・」、このようなことって誰にでもあることではないでしょうか・・・
ここえきて、「急いで浴衣を揃えたい」との相談が増えていて、その方々が口を揃えたようにお話になることは、何処の店も良く似た浴衣柄ばかりで、魅力がないことをおっしゃっています。
特に30代以上の浴衣がないことに不満を持っている方が少なくないことを接客をしていて感じています。
今朝もそのようなことを言って店に尋ねて来られた方が、ご自身の浴衣を準備して帰られましたが、その方も30代のお客様。
確かに周りを見まわすと、本来の浴衣が持っている味というものが失われつつあります。
このネット上にも浴衣の映像が流れていますが、黒地のピンク、又は白地のピンクといった薔薇や桜の柄ばかり。
それも既製品。
これでは一部の女性のための「ゆかたファッション」で、そのラインの年代に合わない方には、面白くない浴衣市場ではないでしょうか。
考えさせられますが、今年はどういう訳か私の店は苦戦を強いられていて、噛み合わない戦略を横目に、駆け込み需要をに期待を寄せている私です。
この浴衣は江戸時代から伝えられている、化学染料を使わない藍で染められた長板染めという技法の浴衣です。
柄の大きさや色合いからいうとお若い方には地味ですが、通気性のいい綿絽(めんろ)という綿素材で染められた味のある着物といえるでしょう・・・。
三勝つというメーカーから出されていて、お値段は¥55、650の品になります。
生産が少なくなっていますが、このような浴衣地も存在していることを知っておいてください。
話は変わりますが、小売業をしていると仕入れ先というものが店作りの中で重要な位置付けになります。
あそこの店には、他の店にないものが揃っている。
又は、同じ品が他の店より安い。
などなど、他店との差別化を図る意味では仕入れ先というものは大切な要素の一つです。
その意味では、店のビジョンに合って仕入れ先を見つけ出さなくてはなりません。
それが至難の技で、随分苦労しました。
今日はこの話について触れてみようと思います。
どうか最後までお付き合いください。
私はこの店を作る前までは、無店舗でお得意先回りをしていました。
或る時、無店舗経営に限界を感じ始め、一つの区切りとして創業10年目にこの店を作りました。
それが17年ほど前のことだったと思います。
新しい店のコンセプトは「着物と和のインテリア」として新しい道を選択した訳ですが、最初の2年は売り上げが伸び悩み、会計士さんから、このままでは経営としては成り立たない、業種転換を考えるか、こだわった商品で勝負するか、判断を急ぐ必要があると言われました。
経営者として薄々感じていただけに、会計士さんからズバリ言われた時は、とてもショックでしたね~・・・。
その時点では仕入れ先は地元問屋ばかりで、どこにでもある呉服店だったと思います。
そして、その時に「京都へ行って仕入れ先を探してこよう」と決心したのです。
そして、泊まりがけで京都に向かうことに・・・・・
何も知らない判らない状態で京都に入った私は、最初に向かった先は清水寺に並ぶショップ回りでした。
仕入れ先を探すのに観光地巡りとは可笑しな話だと思われるかもしれませんが、店で取り扱いたい品を探して回ったんですね~
そこで、目に留まる品があると買い物をし、そのパッケージから仕入れ先を探し出し、電話でアポを取って会社に出向くことを思い付いたのです。
それはそれは必至で、私を信じて送り出してくれた妻の顔を想い浮かべては、勇気を振り絞って尋ねて歩きました。
夜はホテルで、職業別の電話帳をお借りして聞き覚えのある会社を探しました。
手帳に控え、翌朝電話を入れてから会社訪問を繰り返しながら、魅力的な商品を探して歩いたことを懐かしく感じています。
恥をかいたこともありましたが、その強い想いがこの店の原点になっていることは確かです。
その後もいろんなことがありましたが、失敗を繰り返しながらも自分の信念を見失うことなく今に至っていて、見つけてきた仕入れ先は私の大きな財産になっています。
時代の変化に付いて行けないと、進むべき道に迷いを感じている店もあるでしょう・・・。
資本力の大きい企業が小さな町に進出してきて、新しい店作りのを模索している小売業も少なくないように感じています。
今は立ち止まっていることがリスクになる時代です。
一歩前進しないといけません
それを行動に移す切っ掛けは何なのか・・・
経営センスもありますが、新しい仕入れ先を探し出すことも一つの考え方です。
当然リスクも伴いますが、荒波に揉まれることで目には見えない財産を手にすることができると、私は信じています。
生意気な事を書きましたが、私のような考え方もあるということを参考にしていただければ幸いです。
明日から息子が新しい仕事に付きます。
彼が探してきた仕事ですが、厳しい環境の中で人間が成長できることを願い、神社で手を合わせてきました。
言いたい事はたくさんありますが、ここはじっと我慢。
神頼みって甘いかな~