春の温かさと柔らかな陽ざしは私たちの心を開放的にしてくれているのでしょう。急に来客が増え始め、いろんな着物相談が入り始めました。
着物のメンテナンスや寸法直し、帯〆帯げを中心とした和装小物のコーディネート相談が目につきますが、入卒や結婚式などの祝い事に着物を着ようとしていて、閑散としていた冬の季節とは大違いであることがうかがえます。
冬の天候が着物を遠ざけていたのでしょう。
長いトンネルからかすかな光が射しこんで来た気配がしますが、まだ安心はできません。
それでも、この店を頼りにしてくださるお客様を確認することが出来ることは幸せなことです。
昨日は閉店ギリギリまでお客様が続いて十分な記事を書くことが出来ませんでしたが、今日は男物の着物を記事にしてみることとします。
この世には男性が半分近くいますが、男物の着物需要になると女性物と比較にならないくらい少なく着物雑誌にも紙面を割くことがありありません。
なので男物にどのような種類の着物があるか判らない人が多いのではないでしょうか。
そこで、解説してみたいと思います。
男物は大きく分けて3つの分類に分かれます。
男性の第一礼装は年齢にかかわらず黒紋付になります。
結婚式に列席する花婿、仲人、新郎新婦の父親は第一礼装として黒紋付を着ます。また、主賓であれば、受賞パーティや記念式典などにもふさわしい装いです。
黒に染めた羽織と着物に家紋が五つ入ったもので、袴は縞柄のものが正式となります。この3点を身に着けて、半衿、羽織紐、雪駄の鼻緒、足袋を白で整えるのが第一礼装です。
次に分けられるのが準礼装というものです。
こちらになると、御召しの着物と羽織、そして無地袴の組み合わせになり、縫い紋を背中に一ついれておくと風格のある装いになります。
御召しは先染めの絹織物としては最高級品とされていて、ほどよい光沢を持ち、披露宴からパーティの装いや茶席の装いとしても幅広く着こなせるものです。
その装いをコーディネートしたものがこちらの映像です。
ここには無地袴を入れていませんが、着物と羽織を同色でまとめる方もいらっしゃいますが、近年は色を変えて着こなすおしゃれが多く見かけられるようになっています。
第一礼装に比べると決め事のTPOが緩いところもあって、個性を出す楽しみ方が増えていると言えるようです。
そして、男物装いとしてもっともカジュアルなのが紬のアンサンブルとなります。
ここには結城紬や大島紬も入ってきますが、各産地で作られている織物の着物がこのグループに入るのではないでしょうか。
お正月の装いであったり街着として気軽に着こなさるものですが、はっきり線引きすることの難しさがあるので一つの目安にされてください。
あくまでも私がザックリと分類したもので、呉服店さんによって多少の考えからの違いがあるかとことも申し上げておきます。
とにかく男物といえども奥深いものがありまして、その入り口を簡単にまとめてみましたが、ふに落ちない点がありましたら近くの呉服店に尋ねてみてください。
詳しく書くことができなくて申し訳なく思いますが参考になれば幸いです。
ということで、今日の記事とさせていただきます。
それではこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






