古典柄には様々な文様があり、それぞれに柄名が付けられておりますが、近年は古典柄とか、花柄や幾何学用といった感じで大ざっぱに柄名を表現するようになっています。
着物を深く知らない人が増えていることと関係しているのかもしれませんが、どれだけ時代が変わっても流行に左右されないのが古典柄というものです。
そこで今日は、その古典柄の中から「花筏(はないかだ)」という文様を紹介させていただきたいと思います。
その柄は、水面に散った花が、ひと固まりに流れるさまを、筏(いかだ)に見立てた風雅な文様のことをいいます。
江戸時代に好まれた文様のひとつで、訪問着や附下の柄に多く使われているものです。
実が県外のお客様から来年の5月にご家族の結婚式の場で、新郎の妹さんが着る古典柄の附下を見立てて欲しいと相談を受けていまして、ここに紹介させていただくものです。
ご本人はイギリスにいらっしゃって、確か23歳ぐらいでなかったかと思います。
責任の重たい見立てで、お客様からは、これは!という品があったら紹介して欲しいと言われているものです。
そこで花筏の柄はどうかと思って、5月という季節のことも考えて水色系の附下をコーディネートさせていただきました。
それがこちらの帯とのコーディネート画像です。
衽(おくみ)を足した正面の上前(うあまえ)は、このような柄になります。
帯を乗せた縦の縫い目は背中心で、裾模様はこんな感じで友禅されたものです。
若さのあって、上品な附下かと思っております。
そしてこの花筏柄に2種類の袋帯でコーディネートさせていただきました。
ひとつは白地ベースの「たつむら」の袋帯です。
そして、帯〆帯揚げも加えてのコーディネートになります。
華やかで綺麗にまとめることができたかと思っています。
そしてもう一つは「川島織物」の金ベースの袋帯になります。
帯〆帯揚げは同じ品を使ってみました。
装いに力強さが増して、格調高くなったのではないでしょうか?
改めて左が「たつむら」で右が「川島」の袋帯になります。
どちらの西陣織の老舗ブランドメーカーの品で、お聞きしていたご予算を超える品となるものですが、白地と金地の袋帯を合わせたときの雰囲気を見ていただきたくて、附下のコーディネートに使わせていただきました。
そして、そこに使った帯〆と帯揚げが、ここにある画像になります。
帯揚げには刺繍が加えられたものを使ってみました。
若さがあって素敵なコーディネートかと考えていますが、お客様の心を動かすものであればいいのですが・・・
お電話でお客様の感想をお聞きしたいと思っているところです。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。