月末近くになると京都の仕入れ先が店に立ち寄ってくれますが、担当者から話題に出てくるのは、人と物量を動かす会社組織の大きい店の話題と、レンタル着物ニーズの広がりで、家族経営の店は時代の流れに呑み込まれてしまっているか、明るい話題を聞くことがありません。
この状態が続くと、10年後にはメーカさーんから専門店に至るまで、和装業界に関わる先が激減するのではないでしょうか?
なぜこのような話をするかと言いますと、私たちの業界を牽引しているのはベテランと言われる熟年層が多く占めていて、どの分野でも世代交代が上手くできていないことが考えられるからです。
物作りの染屋さんに至っては、60代から80代の人で占めていて、若手が育っていないことを聞いています。
地域に根付く呉服店さんも後継者がいない先が多く、その店主さんも熟年層となれば、いずれ地域から姿を消すことでしょう。
着物のことが分かる消費者が少なくなっているだけに、ある意味で需要と供給のバランスが取れるのかもしれませんが、どこかでこの流れを食い止めなくてはなりません。
業界の体質に問題点が多くあり過ぎて個人の力で及ぶものではありませんが、せめて、新しい出会いをいただいたお客様に安心を買っていただけることから始めなくてはならないと思っています。
そして着物を着ていただけるために何をしなくてはならないかも考え、店作りに生かしていくことも大切です。
それは着付けができる人を増やしていくことかもしれないし、着物を着る場を作ることかもしれませんが、その前に着物でおしゃれすることに憧れを持つ動機がないと、行動に移せないのではないでしょうか?
着物が気軽にレンタルできる時代だけに、おしゃれが買える店であったとしたら、もっと気持ちがワクワクする商品を紹介してみたい気持ちも湧いてくるものです。
ここに新しい風を起こすキーワードがあるように考えています。
ごく一部の着物ファン層に応える店作りかもしれないが、そのに焦点を合わせて頑張ってみたいと思っています。
もしも、もしもそんな土壌が育ったとしたら、この仕事に触れてみたいと思う人が増えると思えるのですが・・・
理想論かもしれないが、その種火を心に忍ばせて仕事と向き合いたいです。
今日は中高年向きの宝尽くし柄の附下を紹介させていただきます。
今の感謝祭に出品している品で、上前を中心に衽(おくみ)と脇の柄を合わせた画像をアップしてみました。
品があって素敵でしょ・・・
お値段は¥324,000の品が税込価格¥162,000となるものです。
季節感を問わない古典柄でのあり、とてもお買い得価格となっていますが、それも明日までです。
書き始めの記事に頭を使い過ぎて附下の解説が十分にできていませんが、画像を見ていただけるだけで、宝尽くし柄の魅力を感じていただけるのではないでしょうか?
それでは、今日はこれにて・・・
お休みなさい。