本日3月25日(日)は石川県で執り行われる十三詣りの日です。
この十三詣りは、和装振興のために私たちの仲間で組織された石川県和装振興会が、石川県にも十三詣りを根付かせようと、金沢市の珠姫の寺として知られる天徳院さんに働きかけをして2000年から始まったものです。
この行事は、数え年で13歳になった男女の成長の儀式として、旧暦の3月13日前後に、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を安置しているお寺に親子でお参りする行事です。
虚空蔵菩薩とは虚空を蔵(くら)としているかのように、計り知れない知恵と福徳をもたらす菩薩で、13番目に生まれた菩薩だったため、13歳になった子どもを連れて、お詣りをするようになりました。
この十三詣りは、子どもに知恵と福徳を授けてもらう目的で、江戸時代はさかんに行われていたといいます。
13歳という年齢は、干支では二巡目に当たり、男の子にとっては元服前の「半元服の祝い」という意味もありました。また、女の子は初潮の時期と重なるころなので、13歳を成女とみなし、初めて本縫いの着物を着せてお詣りをしました。
さらには、女性にとって13歳は初めての厄年に当たるので、その厄落としの意味もあったようです。
今日は室内よりも外の方が暖かい日で、青空が広がり、十三詣りとしては申し分のない和服日和。
今年は小学校を卒業されたばかりの男女30名(男子3名・女子27名)が、全員、着物を着てお詣りをしてくだきました。
ご家族の方もご一緒されていたので、見ていて微笑ましいものがありましてね~
慣れない着物を着せられた当事者は緊張気味で、家族写真を撮る姿はまさに幸せ家族と思えるものがありました。
受付を済まされてからお子さんには、「一文字祈願」として、お好きな漢字一文字を筆で書いていただき、それを天徳院に納めさせていただきます。
そして全員が揃うまで、御椅子に座ってお待ちいただきます。
その先には、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を安置してある部屋がありまして、お詣りが始まると、順番にこの中にお入りいただくことになります。
特別祈願が終ると、ご先祖様に感謝の気持をこめて手を合わせます。
その後に引き続いて、引率されているご家族の方もお詣りをされてから、ひと通りの儀式を終えることとなります。
それは宮参りや七五三とも異なるもので、とても厳かで、「凛」とした空気は他人の私でも背筋が伸びる想いで拝見させていただいております。
終ると張り詰めた緊張から解放された様子が見て取れ、再び家族がひとつになり和やかな雰囲気に包まれます。
今年も素敵な着物をお召しになってお詣りされていたので、その姿を幾つか紹介してみたいと思います。
可愛いでしょう、この子たち。
ご家族全員でお詣りをしていただけたみたいで、お母さんと娘さんの笑顔がこぼれます。
「ハイポーズ」、カメラを向けているのはおばーちゃんでしょうか?
黄色のお振袖がとてもお似合いです。
お母さんたちも着物でお詣りしてくださったみたいで、業界人としては嬉しいものがあります。
古典柄のお振袖をお召しで、柔らかな表情がとても印象的でした。
こちらはファションショーが始まったのかと思わせるような光景が広がっていて、皆さん着物のモデルさんになったかのようで楽しそうです。
とても着物が似合いです。
今日はお天気にも恵まれて、家族に絆とお子さんの成長をカメラに納まめることができたのではないでしょうか?
今年も十三詣りのお手伝いをさせていただきましたが、十三詣りという場で、着物が敬意を払う姿になっていることを誇らしげに思えるものがありました。
まだまだ石川県に定着しているといえるものではありませんが、今年から能登半島の七尾市でも十三詣りが執り行われたそうで、石川県和装振興会としても期待を寄せています。
皆さんにもご理解を深めていただければと思い、十三詣りの様子を採り上げさせていただいた次第です。
来年も十三詣りを執り行いますので、是非心に留めておいてくださいね。
それではこれにて・・・
お休みなさい。