今日は地域の小学校の入学式の日で着付けのお手伝いをさせていただきましたが、入学式が終わったことで着物のメンテナンスをお持ちになられた方のお話によると、着物で出席されていたお母さんがとても多かったそうです。
着物離れと言われている中で、ご家族の人生の節目となる入学式に着物を着ようとする方が減っていないとしたら、着物屋として嬉しい話題と言えます。
だけど、多くの方が着物を着装していても、入学式前に足袋やコーリンべルトなど、和装小物を買いも止まる方が年々少なくなっていることを思うと、路面店の呉服店はハードルが高いのでしょうか?
一方で近隣にお住いの若いお母さんが、実家の母に作ってくれた着物を一人で着物が着れるようになりたいと、熱心に着付けを習われていたお客様がいらっしゃいます。
私の店を頼りとしてくださいまして、娘の幼稚園の卒業式と入学式に着物を着るんだと宣言して、短時間でマスターされた方です。
着付け教室が早く終わると、店内の商品を見せてくださいと言って、笑みを浮かべて和雑貨を眺めていた姿が印象に残っていますが、今日はその方も小学校の入学式でした。
太陽が西に傾き始めたときのことです。
常連のお客様と電話でお話をしていたときに、店内に着物姿の女性とスーツ姿の男性が入店されていて、お顔を拝見すると、着付けを特訓されていたお客様とご主人だったんですね~
この度は大変お世話になりましたと言って、内祝いの品を持って挨拶に来てくださったんですね~
それも着付けの先生にも手渡して欲しいと、二つ持って・・・
ここまで気遣いができる若いお母さんって、あまりいませんよね~
ご夫婦の礼儀正しい振る舞いに感激させられるものがありました。
同時に、初めて店を訪ねてくれた時のことを思い出しましてね~
着付けを習ってみたいと職場の人に話をすると、私の店がいいと勧めてくれたそうです。
初めて訪ねることもあり、勇気を振り絞って相談に伺いました。
何も知らない私でも着付けを習うことができるでしょうか?
確かそんな感じだったと記憶していますが、今では何でも気軽に相談いただけるまでになりました。
今の呉服店さんは若いお母さんにスルーされやすい時代と言えるかもしれません。
考え方もドライで、ネットを上手く使いこなす世代かと思えるだけに、どのような店作りをしたらいいのか、正直、戸惑いを隠しきれません。
地域にある呉服店として、地域の方と寄り添いながら着物と関わっていくことが難しくなっている訳ですが、着物を着たいと思っている若い年代層が多いことを知らされると、今の店で何ができるのかを考えてしまいます。
そんなことが意識の中に渦巻いていまして、若い年代層の水色系の小紋をコーディネートしてみました。
合わせた帯は西陣織の名古屋帯ですが、春らしい感じがせいておしゃれでしょう・・・
今が旬と言える花見に着て行ったら桜よりの華があった注目されるのではないでしょうか?
帯〆にグリーンを入れてみましたが、これが都会的な雰囲気を引き出していてカッコいいんだな~
こちらの小紋と帯は江戸時代に使われていた木版から図案を起こして、色合いを現代的な色で作り上げたものです。
色が鮮やかで古を感じ取っていただかるものではありませんが、お若い方にとっては目を惹くコーディネートかと思っています。
来る19日から始まる卯月展の「三つの扉」の着物コーナーでも古代型(江戸時代の型紙)を活かした商品を紹介したいと考えてます。
その一つをここに紹介させていただいたものですが、面白味を感じていただっけると嬉しいのですが・・・
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。