加賀友禅作家・志々目哲也氏からいただいた「狐の嫁入り柄」のたたき台となる図案

狐の嫁入りの図案(たたき台)

県外の方から相談をいただいてる訪問着柄がありまして、今日はその方に向けての記事を書かせていただきます。

 

今年の一月に「狐の嫁入り柄」の訪問着と帯を用意したいとの相談をいただきましてね~

珍しい相談で気が引き締まる思いでいますが、このような相談をいただけるまでになったことを嬉しく思っている次第です。

 

相談者には着物をお探しをしてもない場合には、新たに誂えるという選択肢があるのかを相談させていただくと、それでも良いとのことでした。

 

そして2月の出張の織りに狐の嫁入りの訪問着を探してみましたが、何処にもなくて、誂えて準備させていただくこととなった次第です。

 

誂えとなれば、京都や東京の染屋さんでも図案からの提案をいただくことができますが、地元の強みを活かして、加賀友禅作家さんとご一緒に相談しながら物作りをさせていただいた方が、小回りが効いて、納得できる作品が創れるのではないだろうか。

 

そのように考えた私は、100人近くいらっしゃる加賀友禅作家さんの中から、「志々目哲也」さんを紹介されましてね~

 

文字が小さいですが、そのかたのプロフィールがこちらになります。

 

加賀友禅作家「志々目哲也(ししめてつや)」のプロフィール
加賀友禅作家「志々目哲也(ししめてつや)」のプロフィール

 

志々目氏は現在38歳でいらっしゃって、二代由水十久に師事された優秀な作家さんだと聞いていまして、これまでに様々な賞をいただいているそうです。

 

加賀友禅を取り扱う仕入先の担当者から、「志々目さんなら描ける」と言って紹介をいただいた訳ですが、作品の題材が分かっていても、白紙の状態から物事を進めていかなくてはなりません。

 

そこで最初にお客様と確認させていただいたことは、狐の嫁入りの表情の描き方をいくつか用意してくださいまして、その情報をお客様に送って確認を取らせていただいたのが先月のことです。

 

作家さんからは今月の中頃にたたき台となるものを提示させていただくとの返事をいただいていまして、昨日その参考資料となるものを手渡された次第です。

 

その資料を紹介させていただく前に、これまで描いたことのない模様を白紙の状態からお客様の年代に合った作品を創り出すというのは簡単なことではありません。

 

その仕事を私は請け負うこととなり、どのような手順で情報を伝えればいいのか。

そしてお客様の思いをどこまで組み込めることができるのか。

 

センスが求められるだけに、経験したことのない責任の重さを感じております。

きもの専門店と生きて行くなら、そのハードルを乗り越えていくことに価値があり、感性を磨くチャンスに出会えたことに感謝しなくてなりません。

 

お客様の思いを組み込んだ作品をどうしたら創れるのかを考えていますが、たたき台の「た」の段階の図案の説明をさせていただきます。

 

 

 

狐の嫁入りの図案(たたき台)
狐の嫁入りの図案(たたき台) 「A」

 

このスケッチは訪問着の上前の模様を描いたものです、

 

 

 

たたき台の図案/後ろ身頃の模様
たたき台の図案/後ろ身頃の模様 「B」

 

こちらは後ろ身頃の模様で、この2体の他に5人ほど加えたいと考えているようです。

 

 

 

 

たたき台の図案
たたき台の図案

 

狐の嫁入りの全体像はこのような感じで、斜線は雨をイメージしているそうです。

 

 

 

たたき台の図案「上前の感じ」
たたき台の図案「上前の感じ」

 

図案「A」が上前に入る構図を描いております。

 

 

 

たたき台の図案「後ろ身頃」
たたき台の図案「後ろ身頃」

 

こちらは中央の縦線が背縫いとなり、後ろ身頃の○で囲った箇所に狐さんが描かれれるという図案です。

 

そして雨を模様化し、雨の線をカラフルに、そしてモダンに仕上げてみてはとの提案です。

 

仕入先の担当者はたたき台がないと話し合いが持てないので、ここから図案の構想を考えてみたいとのことでした。

 

お客様にはこの画像を見ていただいて、お客様の思いを聞かせていただきたいと考えていますが、ここで心がけけたいことは「お客様の気持ちになって考える」ということです。

 

昨日見せられたばかりで、私の考えをまとめきれていませんが、まずはお客様と電話でお話をさせていただいて、一緒に図案の構成を考えることが出来ればと思っている次第です。

 

私としてはお客様が満足していただけるオンリーワンの作品を志々目哲也さんと一緒にチャレンジできればと考えています。

 

K様、数日中にお電話を入れたいと思っているので宜しくお願い致します。

 

ではこれにて・・・
お休みなさい。