復興展の三日目はまずまずのお客様ではなかったかと思っております。
お客様が続いて商品の整理や接客にてんやわんやする時間帯がありまして、日が暮れ始めた頃に人が引くと張り詰めていた緊張が解けてグッタリ。
少し疲れましたがもう少し頑張らなくてはなりません。
お越しになったお客様の中に、高齢のお婆ちゃんと帽子をかぶった二人連れのお客様がお入店されまして、そのお客様を私が迎えると、「私たちを覚えている!」といきなり問い掛けられましてね~
お二人のお顔を見ても思い出せずにとができず、しばらくしてお婆ちゃんが、ご商売をしていらっしゃった会社名とお名前を告げられて、そこで初めて30数年前にお世話になったお客様であることが分かり、娘さんの顔を見て、「歩ちゃんなの・・・!」。
「歩ちゃん」は、身体が小さくなって、おぼつかない足取りで店に入って来たお婆ちゃんの娘さんで、当時、務めていた呉服店のお客様でもあり、私が歩ちゃんの振袖をお見立てさせていただいたんですね~
時々入ってくる店のチラシを見ては、私が変わらず頑張っていることを遠くから見守ってくれてたみたいで、参考にしたい情報が載っているチラシを大切に持っていることを聞かされて、とても感激させられました。
娘さんの歩ちゃんは、人肌を感じさせられるチラシだと言ってくれて、チラシに載っているヒール下駄が欲しくて店を尋ねてくれたそうです。
しばらく当時のことを懐かしみながら話をさせていただきましたが、聞けばお母さんは病院通いと入院を繰り返していて、90才に届きそうな年齢になったことを聞くと、この人達の出会い励まされて、積み上げてきた商売への時間と過ぎた時間の早さに胸が熱くなりました。
お母さんは着物を着なくなった時代にこうして呉服店を続けていることが立派だと、私に語りかけるように話してくださいましたが、自分でも商売がこうしてなんとななっていることが不思議でなりません。
それはキッと、影ながら応援してくださる方が私の周りにいたことが、へこたれずに勇気を与えてくれたのでしょう。
そんな気がします。
話が長くなってしまいましたが、そのお客様の来店は午前中のことで、そのお客様からいただいた勇気が、午後の結果を生んだのかも知れないと思うと、感謝しかありません。
ありがとうございました。
【小千谷ちぢみをクジラの染帯で合わせる】
この組み合わせ、とても可愛いと思いません。
これは小千谷ちぢみをクジラの模様の夏染帯で合わせたもので、見た目の涼しさと着たときの涼しさが共に味わえるコーディネートかと思っています。
それとクジラ柄という何処にもない帯で、夏の装いを楽しめたら気持いいと思わない・・・
すれ違う人から興味深く見られるかもしれないが、それも着物の楽しみ方ではないでしょうか。
復興展は明日22日(月)までとなりますが、夏着物もいろいろ揃えているので気軽に覗いて見てください。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。