店を切り盛りしていて、夏場の7月と8月が暑さできもの需要が最も落ち込むことから気苦労が絶えません。
店としてはゆかた市場がきものファンの底辺を広げるときでもあることから、ゆかたにこだわっていますが、地域の中にある量販店が季節商品として既製品のゆかたを積極的の取り上げていましたが、コロナ禍以降、勢いを失っていてゆかた市場に陰りが見え始めています。
私の店はコロナ前と変わらず積極的にゆかたを取り上げていますが、市場を掻き回す先が少なくなっていることで、ゆかた初心者との出会いが少なくなっていて、ゆかたがきものマニア的な存在になっていることに一抹の不安を感じてなりません。
特に今の若い年代層はゆかたは仕立て上がっているものだと思っている方が少なくなく、反物から着る人の体型に合わせてお仕立てをさせていただくという、本来の呉服店のあるべき姿にご理解をいただけないことに戸惑うことが少なくありません。
ゆかたを着たいと思っている人は、身長も違えば腕の長さや胴回りも違うので、Tシャツようなサイズに分けられたもので対応できるものではありません。
それを伝えて行くことがきもの専門店の役割かと考えていますが、購入金額も高くなることから受け入れていただけないところがあるのでしょう。
ここが一番のネックですが、美しい和装の姿に変身できることを伝えて行くしかないと思っています。
【紺地一色のゆかたを博多織り麻絹の帯でコーディネート】

ここに竺仙さんの紺地一色のゆかたを博多織りの単衣ゆかた帯でコーディネートした画像をアップさせていただきました。
これこそが、”日本のゆかた”といえるところがありますが、このようなゆかたの魅力を分かっていただける方が年々少なくなっていて、生産量も少なくなっています。
私が今の仕事に関わった昭和の時代は、ゆかたといえば紺地か白地一色のゆかたが主流で、朝の連続ドラマ「あんぱん」でも湯上がりや寝巻に白地のゆかたを着たシーンが出てまいりますが生活に寄り添った衣類でした。
それが盆踊りなどにも生かされていて、この仕事に就い時代を思い返すと、単色のゆかた柄が派手なのか地味なのかの判断ができなくて、お客様のお見立てをしていた際に、こんな地味なゆかたを私に進めるのかと叱られたことがありましれね~
初めて小売業に関わった21才の時で、ゆかたに「派手」とか「地味」な柄はあることを初めて知って、お店の女性の方に教えてもらったことを懐かしく思うことがあります。
その当時から思うとゆかたも随分進化しましたが、何故か単色に紺地ゆかたを目にすると心が落ち着きます。
竺仙さんの話ではこのような注染ゆかたを染める職人さんが少なくなっていて、いずれ作れなくなる時代が来るかもしれないとのことです。
私はこの業界に入ったことはゆかたはすべて日本で作られていました。
それが海外でも作られるようになり、そして既製品のゆかたが登場するようになり、いつしかポリエステルのゆかたも市場に現われて、一方で伝統的なゆかたが少なくなっていく。
コストを重要視した流れに業界は傷ついて業界関係者が去って行く。
これでいいのかと思わずにはいられませんが、この流れを止められずにいて寂しく思っている次第です。
現在の店のスタンスを何処まで続けられるかわかりませんが、呉服店としての役割を果せる店でありたいと思っている私です。
筋が通らない作文になっているかもしれないが、今日のブログ記事とさせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい。