気ぜわしく過ぎて行った2月も数日で終わろうとしていて、3月から4月に向けて新しい店作りを考えなくてはなりません。
お客様が押し寄せるという業界ではなくなっているために、興味を持って店を訪ねていただかる店を作っていかなくてはなりませんが、そんな切り札となるものがどこにもないのが私たちの業界かと思います。
そうした中でも、大学の卒業生は着物をお召しになりますし、小学校の入学式に至っては、式典に向けて父兄のお母さん方は着物に袖を通される方が多くいらっしゃいます。
その社会の動きを見たときに、着物を取り扱う専門家として着物を着る人たちにどのようにして寄り添えるかが店作りのポイントになってくるように思えるのです。
それは都会だからとか地方だからという店の立地で考える事柄ではなくて、着物を着ようとしている人たちに向けて相談しやすい環境を整えていくことが店の役割だと言えるのではないでしょうか?
この世はコロナ禍の時代。
業界の目線からすれば、そんな悠長な事ことを言っている場合ではないと言われそうですが、ここを抑えておかないと呉服店を頼りにしていただけないのではないでしょうか?
そこで今日は着物の着付けに必要な和装小物リストを書かせていただきます。
これは着物を着なれない人が、タンスにある和装小物を一式持って来て、着物を着るときに何が必要なのかを見分けて欲しいと言って相談に来られることがありまして、それを見て確認をさせていただいているのですが、そのリストがあれば、いくらかでもお役に立つことができるのではないかと思ってのことです。
着付けをされる人によって使う和装小物が変わってくるのかもしれませんが、着物と帯、長襦袢が揃っていることを前提に紹介させていただきます。
■肌着(ワンピースになったタイプか肌着とすそよけに分かれた二部式タイプ)
■コーリンベルト2本(ゴムになっているものです)
■腰ベルト1本(コムになっているものです)
■伊達締め(だてじめ)
■腰ひも3本
■補正用のタオル3枚
■帯板
■帯枕
■衿芯(長襦袢の衿に入れるものです)
■足袋
■帯締め
■帯揚げ
■草履
■バッグ
■半衿(長襦袢に取り付ける衿で、基本は白無地で刺繍入り半衿を使われる人もいます)
■三重仮紐(振袖を着る場合に必要となる小物)
▲和装ブラ(あると綺麗な着付けができる小物です)
▲ストッキング
▲重ね衿(重ね衿は必ず必要というものではありません。華やかさ演出するための小物)
▲かんざし又は髪飾り(使うか使わないかは個人差があるかもしれません)
▲は必ず必要だというものではありませんが、着物の種類や年齢によって必要とされる場合があるので、着付けをお願いされる方と相談されることが大切です。
繰り返しますが、着付けをする人によって使い物が多少変わりますが、これらのものが揃っていれば安心です。
一つ注意していただきたい点が、着付けをする場合は長襦袢に取りつけてないと着付けはできません。また、半衿が汚れている場合は取り換えが必要です。
半衿は前もって取り付けておく必要がありますが、ご自身で取り付けができない場合は呉服店などで取り付けを依頼してください。
当店では半衿の取り付けを税込み1500円でさせていただいています。
小物を揃える前に確認していただきたいことがあります。
それは着物や帯、長襦袢の状態に異常がないかを確認しておくことです。
よくある例では、着物にカビがでていたり、シミが付いていて、慌ててお直しを持ってこられる場合がありますが、お直しに数日から2週間近くかかる場合があるのでご注意ください。
他にもたたみジワが起きていることがあります。
その場合もシワ取りという仕事が必要になるかと思うので、早めに対応をされることをお勧めします。
とのかくご自身で手の負えないことがあれば、近くの呉服店さんに行って相談されてください。
そして最後に付け加えて行きたいことは、着終わった後の着物のメンテナンスを必ずしておいてください。
これも呉服店さんが詳しいと思うので、着物一式を持ち込んで相談されてください。
どうか面倒だと思わすに、呉服店を頼りにしていただけたら物事がスムーズに運ぶかと思うので頼ってみてください。
分からないことがあればお応えしたいと思いますので、いつでもご相談ください。
ではこれにて・・・
おやすみなさい。