お世話になったお客様のご主人から、昨年ご病気でお亡くなりになった妻の着物の管理ができないので、私に見に来て欲しいと頼まれまして、本日お伺いしてまいりました。
亡きお客様とは3.4年前に出会いがあった70代の方で、日本舞踊を習ったいたこともあり着物が沢山あることから県外で暮らす娘と孫に残せる着物を私に選んで欲しいというのです。
最初その相談をいただいたとき、娘達がお盆で帰省しているので、今日という日を指定されたのですが、お伺いしてみると、コロナ感染者の急拡大で帰省を取りやめたというのです。
現在ご主人は一人暮らしで、座敷には着物や帯が沢山積み上げてありましてね~
娘さん達がいない中での着物の点検をさせていただくこととなりましたが、ご主人が着物のことがまったく分からないために判断を仰ぐことができません。
ご主人は判断を私に任せると言ってくれましたが、責任の重い役割を担うこととなってしまいました。
拝見させていただくと、奥様は長年に渡りいろんな呉服店さんからお買い物をしていらっしゃったみたいで、着物が包まれている文庫から8件近くの呉服店名を確認することができました。
娘さん達がいらっしゃれば、着物を見ていただいて、着てみたい着物かどうかを確認することができるのですが、それが適わないために、数十枚ある着物の中から10枚近くを選び出したのですが、果たしてそれで良かったのか罪悪感を感じるところがありました。
ご主人はそれで十分だと言ってくれましたが、選んだ着物を一つ一つご主人に説明を加えると、まったく理解ができていないみたいで、お世話になった奥様のことを思うと心が痛みます。
ちなみに沢山の着物がある中で私の店から買っていただいた品は明石ちぢみの夏物の着物と型絵染の帯の2点しかなくて、私に着物を見て欲しいと言ってくださったのはどのような理由があってのことでしょう。
そのことを伺うことはできませんでしたが、他店の着物を拝見させていただいて私の店との違いを感じさせられるところがありました。
この後の後始末をご主人が一人でできるのかが案じられますが、全国にこのお宅と似た先が沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
呉服屋としてスッキリしない一日でしたが、いくらかでもお役に立つことができたのなら幸いに思います。
ところで明日は東京からお客様が来店される予定で、心の中で楽しみにしていますが、台風が東京に接近しているのでどうなるか分かりません。
いつも通り店を開けてお客様の来店をお待ちできればと思っている私です。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。