【店主の呟き】
この地で呉服店をさせていただいたて半世紀近く経ちますが、その間、「安心と信頼をどうしたら集められるのだろう・・・」ということと、「地域で役立つ店って、どんな形を指すのだろう・・・」
店の経営を振り返るとき、いつもこの二つを軸に店作りにあり方を考えるようにしていますが、「地域に役立つ店」という切り口から、半衿を上手く取り付けられない方を対象に「半衿の取り付け講座」を実施させていただきました。
【半衿の取付け講習会の様子】
当初の予定では定員を6名として店内奥の部屋で、和裁師さんをお招きして実施する予定でしたが、昨日3人の欠員が出たために、娘に入ってもらって総勢4人で和裁師さんからご指導を受けることに・・・
人が少ない分、一人一人、目の前で指導を受けて各自半衿を取り付けていましたが、ほとんどの方が自己流で取り付けていたこともありその眼差しは真剣です。
皆さん思いの他、手こずっていましたが、ポイントポイントを和裁師さんからのアドバイスが入ってとても喜んでいただくことができました。
【半衿の取付けに試行錯誤する娘】
こちらのお客様は、いい企画を組んでくれて本当に助かった。実の娘にも教えてやりたいと思っている。
初めて半衿の取り付けに参加した娘は、こんなに難しいものだとは思っていなかった。
店のサービスとして半衿の取り付けを税込み価格1,500で受けているが、値上げをして和裁師さんにの手間賃を上げるべきだ。
などなど、たかが半衿の取り付けと思っていたら、されど半衿の取り付けとなっていて、講習会が終わった後に囲んだティータイムに笑顔が溢れていて、とても素敵な時間を共有できたことに喜びを感じていました。
小人数でしたが、地域の人たちに役立つ姿が「半衿の取り付け講座」にあって、和裁師さんもお力を貸していただけたことに心より感謝したいです。
ありがとうございました。
今回のワークショップを見送らないといけなくなった人が、3・4人くらいいまして、改めて2回目の講座を検討したいと思っています。
呉服店さんは生活様式の変化と共に、店作りの在り方の見直しが必要となれていますが、サービス業としての役割を店作りの中にどれだけ組み込めるかで、店に価値が評価される時代になっている気がします。
「店のサービス」というのは、その場で利益を生むものではないのかもしれないが、安心と信頼を生み出す力を持っていて、それをどう活かすかが店作りのセンスと絡み合うのでしょう。
お客様と真摯に向き合って、もっともっとお客様に役立つサービスを探し出し、それを店作りの中で喜んでいただける企画を考えて行きたいです。
そして明日は、県外から依頼されている訪問着柄の「狐の嫁入り」の図案を加賀友禅作家「志々目哲也氏」が描いてくださったので、当店で志々目先生にも加わっていただいて、依頼者とテレビ電話で図案を基にして構図や色合いの相談させていただきたいと考えています。
初めての試みとなるので緊張しますが、ベストを尽くす覚悟でいます。
それでは、今日はこれにて・・・
お休みなさい。