全国に染物や織物の産地が数多くありますが、私の地元である石川県はどのようなものが作られているかご存知でしょうか?
最も知られているのが手描き友禅の加賀友禅で、伊勢型を使った加賀小紋も石川県で染められているものです。織物では牛首紬が知られているかと思いますが、もう一つ、能登上布という夏向きの麻素材の織物も石川県で織られている商品です。
これらは石川県が誇る文化財で全国に流通しているかと思いますが、中でも数が作られていないのが加賀小紋と能登上布ではないでしょうか?
今日はその中から能登上布の八寸帯を採り上げ、夏の装いを紹介してみたいと思います。
それがこちらのコーディネートで、麻素材の小千谷縮の着物と黒地の能登上布の帯の組み合わせです。
カジュアルな装いになりますが、この時期の着こなしとして とっても味があるでしょう・・・
能登上布の黒地の帯が魅力を引き出していて、全通柄と言って格子柄が続く麻織物の名古屋帯なんですよ。
帯には適度の張りがあり、帯芯を入れないでかがる単衣帯になります。
まさしく夏の季節に締める帯です。
腹の部分をこのような帯〆帯揚の色を入れてみました。
帯には黄色の糸が入っていて着物との色合いもシックリきているかと思っています。
そこで帯〆帯揚げには着物や帯に使っていない色を使ってみましたが、優しい感じにまとまったのではないでしょうか?
能登上布の帯を締めているという自己満足の世界かもしれませんが、黒地という帯の個性が生かされていて、とてもおしゃれなコーディネートかと思っています。
明るくまとめてみたいときには生成りと墨色の帯でまとめてみても素敵かと思います。
こちらも能登上布の帯で、おしゃれな表情を備えた大人の帯といえるでしょう・・・
いずれも締めやすい帯で、作られている数が少ないだけに手にされたときの満足感もあるかと考えています。
着物愛好家の方にとっては魅力的な夏帯になることでしょう。
参考にされてみてください。
ところで、毎日が静かに時が過ぎていって、あれよあれよという間に今月も残り10日になってしまいました。
次の一手を考え中ですが、もう少し刺激が欲しいものです。
これから京都の仕入れ先の担当者が新しい情報を持って尋ねてくるかと思いますが、新しい道を探るって本当に難しいものがありますね。
それではこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






