店内は少し“がらん”としていまして、きもの専門店とは言いにくい状態になっています。
それは「秋の東京展」向けて、着物や帯、和装小物を東京に送るために売場から外したからで、慣れない店内の雰囲気に戸惑いを感じております。
一週間の我慢となりますが、お客様が多いと言える状態ではないので割り切るようにしています。
【七五三の縫い上げから見せてくる着物業界の未来】
この時期は駆け込みで七五三の縫い上げ相談が入ってまいりますが、着物に詳しくない若いお母さんは、何をどうしたらいいのか判断が出来ない状態で着物を持ち込まれます。
それを見て説明をさせていただく訳ですが、ある意味で着物初心者が呉服店さんに持ち込んで相談されるというのは正しい判断かと思っております。
数日前にも本日17日に三歳の女の子の七五三をしたいと言って、風呂敷にまとめたものを広げて縫い上げをし欲しいことの相談がありましてね~
一緒に包んであったものが何であるかをまったく分かっていなくて、“被布コート”というものであることや “しごきと”と“帯揚”げが一緒に入っていることを話をさせていただいて、この着物に被布コートを合わせるのか、それとも帯結びをして臨めれるのを尋ねると、何を言っているのかが判断出来ないみたいで、きもの雑誌の七五三の着物なし写真を見ていただいて説明を加えさせていただいた次第です。
そこで初めて私が言っていることが呑み込めたみたいで、被布コートでしてみたとの意志を確認することができました。
そして、急いで縫い上げの仕事を承らせていただきました。
他にも本日のことですが、お友達から三歳の七五三に着る女の子の着物の縫い上げを頼まれたものの、自信がなくて、ここで縫い上げをして欲しいとの相談がありましてね~
その着物はお嫁さんがメルカリで買ったとかで、着物と長襦袢は三つ身で、帯は七歳用の六寸幅の小袋帯になっていて三歳の七五三に締められる帯ではありません、
縫い上げを頼まれたその方も変だと思っていたみたいで、被布コートで七五三をされることをお勧めしましたが、その前に、どれだけ縫い上げをしたらいいのかを尋ねると、頼まれた方も良く分かっていなくて、改めて本人を連れてくると言って店を後にされましたが、このような話は日常茶飯事のことです。
現場に立っていると、七五三の縫い上げからも着物のことが分からない人が驚く程増えていまして、そのことが、きもの離れに繋がっているのではないかと思われます。
地域の呉服店が少なくなっている中で、その流れを止めることは難しくなっていますが、微力ながらきもの初心者に優しい店でありたいと思っています。
一方できもの愛好家との出会いを増やしていかないと店の発展は望めない考えていまして、新たな道を探る意味でも「秋の東京展」は価値ある催事かと考えています。
東京展は今回で3回目となりますが、SNSでの呼び掛けに依存していることもありまして【秋の東京展の見える化】を図ることに一生懸命になっています。
そこで今日は京友禅の付下げを幾つか紹介してみます。
【辻が花作家・森健持氏が真綿紬に絞った辻が花付下げ】
この紺地の付下げは染織作家森健二持さんが真綿紬に絞った「辻が花付下げ」になります。
森健持さんの作品は昔から存じ上げていて、彼の作品を幾つか手にしているので、秋の東京展にも出品させていただきます。
その中の一つがこちら辻が花の付下げになります。
真綿紬に絞っているのでおしゃれ着となりますが、その味わいは他の付下げとは別格で今回の展示会でご覧いただけたら嬉しく思います。
【モダンな京友禅付下げ】
こちらはネズ地に金と銀の箔をあしらって描かれた唐草模様の付下げになります。
色合が実にシンプルですが大人の輝きを魅せていて、パーティーの席などに映えるかと思っていますが、合わせた袋帯の太鼓柄が上手く出ていないこを一言付け加えさせていただきます。
【水色の古典柄付下げ】
こちらは水色の古典柄付下げでになりますが、華やかさがあって若い年代層の方でも着こなせるフォーマル着です。
地元の加賀友禅とは趣が違うので、会場で京友禅と加賀友禅を比較しながら楽しんでいただければと思っております。
簡単な解説となりましたが、東京でお会い出来ることを願って今日に記事とさせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい。