私が高校卒業式前の2月に一人でヒッチハイクの旅に出たことがあります。
動機は社会人になる前の思いで作りと、自分がどんな苦難にも向かっていけるか試してみたいという強い気持ちからでした。
高校時代から大阪商人にあこがれていて、自分で商売をするのが夢でした。
そのためにも未知への世界にヒッチハイクという手段でチャレンジしてみたかったのです。
そして、旅に出る前に自らルールを作りました。
・道で腕を振って止まってくれた車に乗ること。
・宿泊施設には泊まらないこと。
・できるだけお金を使わないこと。
・期間は卒業式前日までの13日間。
・目的地はひたすら南に下がること。
以上のことを心に決めて実行しました。
両手に軍手をして道で一人、腕を上げ親指を立てて振る毎日でした。
広島県でハイネックのシャツと風邪薬をくれた人がいました。
下関で24時間営業しているガソリンスタンドで椅子を借りて仮眠したり、
映画館で寝たこともありました。
雪の降る博多で暖が取れずこごえていた夜もありました。
長崎は「今日も」雨でした。
気ままな旅は鹿児島と宮崎を何故か往復していました。
四国では金比羅さんへ連れて行ってくれた人や、五右衛門風呂に入れてくれた人がいました。
軽トラの荷台に乗って小豆島を案内してくれた人もいました。
東京まで行ったものの腕を振ると止まるのはタクシーばかりで十数時間歩いて止まってくれた車は新聞の配送者で千円のこづかいをくれた人もいました
。
帰りの米原でシンシンと雪が降っていました。
家に泊めてくれた人が4件、食事もご馳走になることが多く、5千円で済んだ旅で終わったのです。
書ききれない多くの体験をすることができ、そのヒッチハイクは人の優しさを一つ一つ心に刻んでくれました。
そして、自分に自信を与えてくれました。
現在小さいながらも経営者に成ることが出来ましたが、そのヒッチハイクが
ひとつの礎になっているように思います。
そして、その続きがあります。
それから1年後のお盆に次は北を目指して青森東京経由2700円のヒッチハイクをしました。
動機は前回の旅が楽しかったからです。
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