今朝の新聞に 「第42回日本伝統工芸染色展」
の入賞、入選が24日までに決まったとの内容の記事が書いてありました。
その中に先日お会いした加賀小紋染の「坂口幸市氏」のお名前が、県内から入選者に選ばれた作歌さん6人の中にに・・・・・
(その際に撮らせて頂いた写真です)
日本で加賀小紋を染めていらっしゃる方は坂口氏ただお一人であることを聞いてはいましたが、改めてその偉大さを知ることとなりました。
その記事には同展は4月29日から5月4日まで東京・日本橋の三越本店で開かれた後、金沢展 (北國新聞社主催) が5月15日から20日まで香林坊大和で開催される。
と、書いてありました。
今月17日の私のブログに坂口氏の工房にお伺いした記事を書きましたが、来月この店で開催する 「卯月展」 に坂口氏が染めた 「加賀小紋」・「綿絽ゆかた」 を紹介することになっていて、会期中の2日間その坂口氏が加賀小紋の実演に来てくださるんです。
信じられない話でしょ・・・・・・
こんな家業店に来てくれるなんて・・・・・
近隣の方は是非とも見に来てくださいね。
そこで私が解る範囲で坂口氏の仕事を紹介させていただきます。
この品が 「坂口幸市氏」 が染めた 「加賀染め小紋」 です。
細かい模様が着物で、濃い水色が裏地の八掛 (はっかけ) です。
八掛にも坂口氏が小紋染めをしています。
この染め方は、伊勢型を使って 「手染め)」 をする染め方で、江戸小紋とよく似た染め方なんですよ。
近頃は大量生産が出来る機会で染めた小紋が市場に多く出ていますが、これこそが本物の手染めです。
皆さんは加賀小紋と聞けば、「手描き友禅」 を頭に思い浮かべるのではないでしょうかね~
勿論、加賀友禅には 「手描き小紋」 もあり、いろんな作家さんが染めていますが、それとは違う技法で染めているのが 坂口氏が手がける小紋なんですよ。
月に4・5反しか染めれないもので、県内の方であってもめったにお目にかかる事の少ない商品です。
お会いした時は、工房で
『二枚小地白』 (にまいこぢしろ) という手間のかかる技法で染めていらっしゃいました。
これがその写真です。
使っている伊勢型の型紙は自らが図案を書いて、彫氏 (ほりし) に彫ってもらうとのこと。
その彫氏の出来不出来で染め上がりが変わるとおっしゃっていました。
使っている型の長さは3寸5分 (約13cm)
の とても小さな型で染めるんですよ。
長い一枚板に生地を張り付け、その上に型を置き、細い釘のようなもので固定をしてから、固形になった染料で染めます。
そてを順に模様がずれないようにして型を送りながら染めていくんですね~
二枚小地白 (にまいこぢしろ) と、二枚小白と染め方が違うことをおっしゃっていましたが、私には理解が出来ませんでしたが、どちらも使う型は2枚。
コピーした写真で説明すると、一反を染めるのに先に主型 (上段の型) で100回染めてから、次に消形 (下段の型) で100回の型送りをするとのことでした。
つまり一反を染める工程の中で、この型送りが200回おこなわれるという根気と手数がかかる仕事なんですよ。
主型と消形を面で繋ぎ合わせ、模様を浮かび上がらせる技法が 「坂口幸市氏」 が成しえる職人の技なんですね~
私が説明できることはこれくらいで、他にももっとお聞きになりたい方は 「卯月展」 の4月13日・14日 (日曜と月曜) の二日間私の店に来てくださるのでお尋ねになってみて下さい。
商品の紹介は4月12日~15日の4日間になります。
またもや今日も長い記事になってしまいました。
でも、このような日本の文化や職人の技を少しでも解りやすく伝えていかないと、皆さんは振り向いてくれなくなるのではないのかな~
(とは言いながら私の店のPRもしてしまいましたがね・・・ゴメンナサイ)
気難しいことばかり書いてブログランキングの順位がまた下がりそうですが、これも私の大切な仕事。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。