着物の世界で小紋といっても多種多様にありますが、今日はその中で、ご当地の加賀で染めている小紋について紹介させていただきます。
加賀染めの小紋には大きく分けて、
手描き友禅と型友禅の
二種類の染め方があります。
この手まり柄の小紋は手描きで描いた 「加賀友禅小紋」 になります。
皆さんは加賀友禅と言えば、染められた作家さんの落款 (らっかん) が入った留袖や訪問着などの格調高い着物を想像されるのではないでしょうか。
このような加賀友禅小紋も一部の作家さんではありますが染めているんですよ。
勿論、筆だけで描いた染め方で刺しゅうや箔などを使う染め方は一切していません。
あくまでも手描き友禅です。
(その着物に加賀友禅帯の染め帯を合わせてみました。)
そして、もう一つの染め方が型を使って手染めした 「加賀染め小紋」 です。
この写真がその加賀小紋ですが、いずれも 「坂口幸市氏」 が手がけた着物です。
以前にもこのブログで説明しましたが、加賀染め小紋を染めているのは坂口氏ただお一人だけなんですよ。
左側が二枚小地白 (にまいこぢしろ)) といって面を繋ぐ技法で、右側も紺系の着物が線を繋ぐ技法の二枚小白。
いずれも石川県で染めている小紋ですが、手描き友禅と 型を使って手染めした着物とでは、まったく趣が違うことがお分かりいただけたのでは・・・・・
実はこの二種類の小紋を 「卯月展」 で、柄を取り揃えご紹介したいと考えていているんですよ。
言葉で説明がしにくいもので、、このブログを借りて紹介してみました。
石川県産の小紋に対する理解を深めていただければ幸いに思います。
ところで話はガラッと変わって、今日もお二人の方が着付け教室に来ていらっしゃいました。
お一人の方は今日が初めてなのですが、帯結びを習ってみたい動機がご自身で織った帯を締めてみたいということでした。
それがこの帯で、初めて織ったつづれ帯。
親しくさせて頂いている75歳のお客様ですが、織り上げるまでに一年かかったそうです。
その会話が聞こえたもので、無理を言って写真を撮らせてもらいました。
色合いのセンスの良さも含めて大変驚いた私でした。