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政権が変わり日本の新しい政治が船出したようです。
その手腕に期待を寄せ、元気が出る社会を築き上げて頂きたいと切望しているところです。
経営者の端くれとしては、経済の活性化と雇用の安定をいちばん気にかけていますが、それぞれの置かれた立場によって、福祉や医療、教育などに改革を望む人も多いのかもしれませんね。
いずれにせよ、新しい仕組みが望まれる時代が来たようです。
今日は私の仕入れ先で面白い和物商品を作っている会社があり、その商品を紹介してみようと思います。
その商品はこの座布団で、和紙を柿渋(かきしぶ)で染めたこだわりの逸品です。
その前に柿渋の説明が必要かもしれませんね。
柿渋は読んで字のごとく「しぶ柿」を砕いて絞った汁を発酵熟成したものです。
主成分である柿タンニンによって防腐効果や耐久性を与える性質があり、紙類に塗り乾燥させると防腐性と硬さを増します。
また、塗料だけではなく漢方薬として、高血圧降下剤や火傷の塗り薬、二日酔いの薬としても使われたそうです。
その歴史は平安時代までさかのぼるみたいで、漁村では網に塗ったり、造り酒屋の酒袋などにも使われていました。
間違った説明をしていないと思いますが、その柿渋の液体を和紙の塗った素材で、座布団を作ったものです。
作り上げるまでの工程は、和紙をもんで、柿渋を塗るという工程を何度も繰り返し光沢が出てくるまで続けるそうです。
その仕事は少なくても2カ月以上かかるようなことを話していました。
大変珍しい商品で38×38㎝と45×45㎝の2種類の大きさの座布団を用意してみました。
お値段は一枚・税込で六千円と八千円の商品です。
この商品は石川県で作られていて、東京銀座の某百貨店の定番商品として取り扱われているそうです。
そしてもう一つ、柿渋ブックカバーです。
上段は文庫本サイズで、右が柿渋、中央が柿渋と藍を合わせたもの、左が柿渋とベンガラを合わせて商品です。
そして、本を開いた感じの物は少し大きなサイズで新書本のカバーになった柿渋になります。
グリーンの色が本の表紙だと思って下さい。
このようにしてカバーとして使ってみるのも面白いと思いますよ・・・・・
お値段は文庫本サイズが税込¥1、800・・・新書本サイズが¥2、000です。
これらの商品は和紙でありながら、肉厚があって丈夫ですが、ひんぱんに使うと角が摩擦で柿渋が落ち和紙が顔を出すことがあります。
そのような時には、お預かりをして、無料で柿渋を塗り直すアフターもしていますので、一言書き加えておきます。
いろいろ書き並べましたが、とにかく味のある商品です。
侘び寂びを知っている方には是非愛用して頂きたい、柿渋染の座布団を紹介させていただきました。
毎日このようにして新しい商品や珍しい商品が入荷していますが、来客が少なく頭を痛めています。
午後から店の会計士の方が来ていたのですが、呉服店は敷居が高くて気軽に相談ができないところがあるようなことを言っていました。
そのようなことを新規のお客様からも時々耳にしますが、呉服店はそんなにプレッシャーがかかる存在なのでしょうかね~
仮にそうだとするならば、何を変えたらいのでしょうか・・・・・
商品をよく知った方でしたら、口出しをしないことも考えられますが、着物に限らず和物商品を知らない方が多過ぎます。
それに店が惚れこんだ商品だと、つい一言二言説明を加えたいのが親心というものです。
どうも、それがオセッカイに取られがちで、コンビニやスパー、更にはネットなどで買い物をすることに慣れてしまった方には、私達の接客は重いのでしょう・・・・・。
来客が少ないのはそればかりではないのが、私達の業界になってしまいました。
悔しいな~