「黒地の振袖」から歯車が変わり始めた振袖市場を振り返ってみました

 ゴールデンウィークを有意義にお過ごしでいらっしゃいますか?
どこへ行かれても人で混雑していて、仕事をしているほうが楽だと感じている人が多いのでは・・・
大型連休は年に3度あって、お正月休みは「初詣」、お盆休みは「墓参り」というのがお休みの柱になりますが、ゴールデンウィークとなると、遊びやレジャーになるだけに、殿方は家族を連れ出さなくてはならない辛さがあります。
かつては私もそんな時期があって、休みでありながら家族に気を遣って「家族の遠足」を考えたものです。
今だから言えますが、休みの日程を埋めるのが負担でしたね~
心の中で「ゆっくりさせてくれよ~」なんて呟いていたことを思い出します。
家族の関係が深まる時だと割り切り、奥様にサービスしてしてあげてくださいね。
私は早朝から自宅の庭の草むしりから一日が始まりました。
これも気合を入れないとできないもので、刈り取った草はごみ袋に5つ。
これでしばらくは、お隣さんに不快な思いを与えなくて済みそうです。
そしてシャワーを浴び店に出る私でしたが、朝の草刈りで体力を消耗してしまいましてね~
のんびり仕事をこなす一日でした。
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明日は振袖の見立てを依頼された方が訪ねてこられる日です。
乱れた売り場の整えを終えたところですが、明日のご相談者は電話でしかお話をしていない方です。
娘さんが黒地の振袖を探しているとのことで、これまでに幾つかの呉服店さんを覗かれたそうですが、心に留まるものがなくて、私の店に相談をいただいたものです。

お母様にはご予算があり、お嬢様にはイメージする色柄の好みがはっきりしている感じで、親子の条件を満たすものでなくてはなりません。
ハードルの高い見立てが予想されます。
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そこで今日は昨今の業界の振袖事情について少し書いてみたいと思います。
昔は振袖一式のご支度に100万円くらい かかると言われる時代がありました。
それがバブル期が去った頃から、世の中の経済状況を見据えて、お手頃な価格帯を追求た物作りが始まりました。
振袖が市場に出るまでのコストを工夫することとなりましたが、同時に価格競争がエスカレートし始め、価格競争に挑む物作りの会社と、その市場から離れて物作りにこだわる染屋さんと2極化の構図が今に至っています。
数日前に「5円の訪問着」を記事にしましたが、安価な商品を作る技術が開発されて、昔では考えられない価格帯の商品が市場に出回るようになりました。
同じような着物を量産し、質より価格を優先した振袖が、さまざまな付加価値を付けて販売されるようになっているのが今の振袖と言えるかもしれません。
一方で、価格競争から離れた染屋さんは、自社の技術を追求した振袖を作っていますが、振袖を専門に扱う小売店さんに振袖市場を奪われてしまって、こだわりの振袖を昔ほど作れなくなっています。
その背景には、着物専門店さんが、こだわりに振袖を販売できる力を失っているともいえますが、ここに来て、セット商品に満足できない消費者が増えている感じがします。
しかし、振袖を用意いと考えている方の多くが着物初心者で、振袖の価格帯の違いを理解していただくことの難しさを味わっています。
歯車が変わり始めた振袖市場。
お客様に何を優先して振袖の魅力を伝えたらいいのか?
お客様から投げられてボールに、いろんな背景を重ね合わせながら準備を整えるわたしでした。
満足していただけると嬉しいのですが、ベストを尽くしてみたいと考えています。
それではこれにて・・・
お休みなさい。

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