入卒用の着物を着る前に済ませておきたい確認作業・そして用途の広い色無地の特徴を綴りました

 「笛吹けども踊らず」という言葉がありますが、雪の降る季節は何を提案してもお客様が動くということがありません。

足元が悪いとか、寒さが厳しいとか、考えられることはあっても、響かない状況下に自信を失くしそうになりますが、こんな時だからこそ下準備が求めらるのでしょう。

迷い道に入らないように風呂敷の提案に知恵を絞っているところですが、気にかかるのは入卒に向けて装い相談が少ないことです。

時期が早いということもあるのでしょうが、慌てないためにも幾つかのアドバイスをしておきたいと思います。

入卒の装いとなると、対象者は比較的お若いお母様で着物初心者が多いのではないでしょうか?

そのような方がタンスにある着物を着ることを過程したときに、確認しておかなくてはならないことが幾つかあるので、そのことを箇条書きしてみます。

1≫ 装いの要となる着物・帯・長襦袢に汚れやカビが出ていないか。加えてシワが入っっていないかを確認しておいてください。

問題があるように思えるときには、素人では直せないので、最寄りの呉服店などに持ち込んでお直しを依頼してください。汚れやシミの状態にもよりますが、お直しに一月近くかかるものがあるので事前の確認を済ませておくことが慌てない秘訣かと思います。

2≫ 長襦袢に半衿が取り付けてあるか。取り付けたあったとしても汚れていないかを確認ください。

半衿が付いていないことが判れば、半衿を取り付けられる人に依頼して付けてもらわなくてはなりません。知り合いがなければ呉服店の駆け込んで相談してみてください。おそらく一週間あれば大丈夫かと思います。

3≫ タンスの中にいろんな着物や帯があってコーディネートが判らないときには、着物に詳しい人に相談して当日の装いを決めておいてください。

これも呉服店の方が目利きできるものですが、その時は着物を着るために必要なアイテムを持ち込んで、足りないものがないかを確認してもらい、帯〆帯揚げまで合わせておくと安心です。

そこで、問題があることが判る場合があるので、早めに準備を終えておくことをお進めします。

4≫ 草履やバックに異常がないかを確認しておいてください。

まれなケースですが草履やバックにヒビが入っていることがあります。それは劣化が始めっているので修理ができません。また、草履を履いてみて、足に痛みを感じたときには、サイズが合っていないのかもしれないので、応急処置として鼻緒を緩めることができます。呉服店などで相談してみてください。

5≫ 親戚や知人から着物をお借りして、それを着る際には、サイス(大きさ)がご自身に体型に合っているのか確認する必要があります。

一度袖を通してみて、腕の長さ(裄)や身幅が不自然でなければいいのですが、極端に短かったり、気幅が窮屈なときは、サイズが合っていないと考えてください。また、着物の長さはご自身の身長と同じぐらいが着付けしやすいものだとお考えください。

6≫ 着物をご支度したときよりも体重が極端に増えたときには、身幅が現在の体格に合っているかの確認が必要かと思います。

仮に無理があるようでしたら、仕立て直しが必要となります。その場合は一月~二月近く時間が要します。早めに対応しておくことが得策です。

7≫ それ以外に、TPOに合った着物なのか、年代に合った装いなのか、疑問視するものであれば専門家に見てもらうことをお勧め致します。

とにかく着物初心者でもあるので、安心は禁物かと思っています。

どうか念には念を入れて、お子様の晴れ舞台に望めれてください。

それらのお手伝いができるのは呉服店かと考えています。

近くに相談できる店がなければ、恥ずかしいと思わずに私の店に相談してみてください。

できるものとできないものがありますが、少しはお役に立つことができるのではないかと思っております。

さて、話題は変わりますが、過去に入卒用の着物として最も多く使われてきた着物が何であるかをご存知ですか?

CSC_0057iromuzi.JPGそれは色無地です。

色無地は今も昔も礼装着として使われてきたもので、ありとあらゆる式事に対応できるものです。

但し、血筋に近い結婚式やお葬式には五つ紋が入った留袖や喪服というものがあるので、そのような場にはお召しになれませんが、入卒や’七五三、お友達の結婚式の披露宴、更には、お通夜やご法事まで慶弔いずれの場にも適した着物と言えます。

そこで気を配りたい点は、お目出度い席には明るい色合いが適当で、おくやみの席には悲しい想いが伝わる色合いであることが望まれます。

ところが近年はお目出度い席に色無地に変わる訪問着や附下を勧める呉服店が多くなっていて、色無地の価値が影を潜めている感じがしてなりません。

私の店もその中に一件ではありますが、色無地は訪問着や附下に比べると価格帯もリーズナブルで、着物をお持ちでない方でも手が届く着物かと考えています。

そこで、お子様の入卒に着物を着てみたいと思ったいらっしゃる方に、色無地を是非ともお勧めしたいものです。

用途的にも家族の節目のお祝い事に着ていただけますし、ご親戚や友人のお祝い事にも対応できる着物だけに何かと便利な着物と言えます。

この色無地の便利な点は、色合いが派手になれば、色の染め替えが安価な価格で再生できることです。

これが訪問着や附下になると、染め替えが至難の業で、染め替えができたとしても色無地のコストを遥か超えるものになります。

当店ではきもの再生のお仕事を承っておりますが、その中で最も多いのが色無地の染め替えです。

着物の状態にもよりますが色無地を新調する価格の半分以下で染め替えと仕立直しができる着物です。

そのことを考えてみても、色無地というものは一生連れ添うことができる着物なんですね~

着物と縁が遠い人にとっては、メリットがある着物だと思えるのですが・・・

染め替えも含め、色無地の価値を見直してみることもあってもいいかと思えるものがあり、生地を付け加えてみました。

参考にしていただければ幸せに思います。

DSC_0045.JPGそして今日、娘たちから花束をいただきました。

その訳はここでは記事にしませんが、嬉しく思っているところです。

気を遣わせてしまって、感謝していますよ・・・

それではこれにて・・・
お休みなさい。

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