娘たちがプロデュースした風呂敷記念日・そして刺しゅう作家・森さんの横顔と作品

  明日23日は風呂敷の日です。

2月23日を「つ(2)つ(2)3(み)=包み」の語呂合わせから京都ふろしき会が制定したもので、風呂敷にこだわる店としては絶好のビジネスチャンスでもあります。

その事を念頭に置いて、お客様を呼んで風呂敷の包み方レッスンを店内奥でしてみてはどうだろうかとの提案が長女からあり、即決で開催してみることに・・・

そして提案があった一月近く前から長女が先頭に立ち、全員でいろんなアイディアを出し合って風呂敷の包み方レッスンの参加者を募集したところ、アッという間に定員が埋まりましてね~

その間、女性陣は包み方の練習から始まり、見本品としてビンなどを包んだ品々を展示して明日の本番に臨もうとしています。

その姿を横で見ていて、純粋にお客様に喜んでいただけることを工夫し、店のファンになってもらえるために何をしたらいいかを真剣の考えてくれていることに元気をもらえるものがありました。

DSC_0006puroguramu.JPGそして店の奥のレッスン会場には、講師を務める長女が作った手書きのプログラムが張り出されていました。

明日は午前と午後の二度に別れて10人のお客様に指導させていただくことになっていますが、なにせ初めてのことなので全員でフォローしたいと考えているところです。

一方で、恒例となっている4月の卯月展に向けて特集を組んだ「刺しゅう展」を控えていて、その案内状となるものが出来上がりました。

DSC_0005tegakinoannnaizilyou.JPG構成の段階で気の利いた案内状と言えるものではありませんが、一人でも多くのお客様に情報をお伝えしたくて、ここに紹介させていただきました。

ハイテクとはほど遠い手書き文字で作ったもので、私の想いを載せたくて手作りで構成したものです。

この会は、日本工芸会正会員の刺しゅう作家・森康次さんとの出逢いから動き出したもので、日本刺繍で模様を浮かび出した着物や帯を特集するものです。

会では手縫い刺繍の奥深さを少しでもお客様にご理解していただきたくて、森さんをお招きして刺繍体験のご指導もお願いしてしまいましたが、森さんが作られた着物や帯を紹介させていただきたいと思っています。

とは言っても、森さんの技をご紹介しきれていないもので、森さんがひと針ひと針刺して作られた附下を紹介させていただきます。

CSC_0015sisilyuugaranotukesage.JPGそれがこちらの作品となるものです。

画像は2種類の附下の上前となるなる模様を写し出したもので、染めた着物に見えるかもしれませんね。

その工程は図案の構図作りから始まり、使う生地を選択し地染を終えたものを用意してから、晴れて作品作りが始まります。

模様となる染めた糸を取り出し、糸の太さを考えて糸を撚り、そして刺繍台に生地を張り両手を使って下絵された模様にひと針ずつ針を刺しながら組み込まれた糸の艶が模様を浮かび上がる技法です。

CSC_0018sisilyuugaratukesage.JPG模様に一部を拡大したものですが、規則正しく刺したものが模様になっていることが見てとれるかと思います。

刺す糸の濃度を分けることで、より一層立体感が浮かび上がるものです。

その歴史は古いものだと聞いていますが、森さんは1946年に京都の「ぬい屋」の家に生まれ、15歳の時に家業の仕事に就かれたそうです。

それから刺繍一筋に55年余り伝統の技を守り抜いて来た方ですが、声が通る元気な方で10年前に女性のお弟子さんができたことをとても喜んでいらっしゃいました。

ご自身の技を全て教えたいと笑みを浮かべて話されていましたが、その笑顔の奥に伝統の技が先細りであることの危機感を感じていらっしゃったのではないでしょうか。

業界の縮図がここにも潜んでいることを知らされるものでした。

話が本題からそれましたが、物作りの工程を全て森さんお一人でされている作家さんです。

DSC_0008sisilyuugaratukesage.JPGこちらも附下の画像を拡大したものです。

刺繍でもいろんな技法のものがありますが、私は友禅や箔の力を借りないで縫いが主役となる表現法が大好きで、そのシンプルさと立体感に美学を感じている者の一人です。

これまでに、刺しゅうの鼻緒やバッグなどの和装小物から、私が好む刺繍帯の数々を紹介してまいりましたが、刺しゅう展ではそれらを一同に集めて紹介してみたいと考えています。

その中でに森さんの作品が加わりますが、手縫いの味を知っていただくために森さんのお力をお借りしてオーダーメイド刺しゅう半衿作りを特別企画として取り入れてみました。

半衿作りの詳細については2月17日のブログ記事で書かせていただきましたが、森さんに手伝っていただく以上は、その期待に応えられるものにしたいです。

特に県外に方にもお越しいただけたらと考えていて、ご予定を立てていただくためにも会の趣旨を記事にしてみました。

会が始めるまでさまざまのとを呟くでしょうが、娘に見習ってベストを尽くしてみます。

どうか温かな眼差しで応援していただけたら嬉しいものがあります。

明日は午前10時から風呂敷の包み方レッスンが始まりますが、私の役割は孫守りとなりそうです。

早く店に出て来て、仕事のしたすい環境を整ええてやりたいと思っています。

それではこれにて・・・
お休みなさい。

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