入卒用のお母さん着物として提案したい「加賀友禅訪問着」・そして店の存在価値を考えてみました

加賀友禅訪問着 着物/きもの

今日も荷物の集荷に来れないとのことで、いったい運送業者内はどうなっているのでしょう。

溜まっている荷物を優先にトラックが動いているのかもしれないが、送りたい荷物を抱えている者にとっては、我慢の限度を超えるものがあります。

 

商品を届けなくてはならないお客様には、ご迷惑をお掛けしてしまって心よりお詫び申し上げます。

商品の流通が止まり、困っている方が多くいらっしゃるのではないかと想像しますが、このようなことは初めてのこと。

便利で合理的な世の中と言われていますが、今回の雪は流通のもろさを浮き彫りにしたのではないでしょうか。

この経験を教訓にしたいものです。

 

明るい話題が乏しい昨今で、昨日県外の方から、或る作家さんの加賀染の着物を手にしたいとの問い合わせがありましてね~

その事を受けて商品状況を尋ねてみると、その作家さんがご病気でお目当ての着物が作られていないことを知ることとなり驚かされました。

 

京都の仕入れ先でこのような話を聞くことが多くあり、どこか他人事のように受け止めていましたが、作り手の高齢化は身近なところでも起きていて、後継者が育っていない現実は業界として痛手です。

 

ご相談者には事情を説明し、時間をいただかるようであれば作れることをお話させていただきました。

吉報をいただけるといいのですが・・・

 

話題は替わりますが、店では入卒用のお母さんの着物提案を地域の方々に投げかけていますが、反応が鈍くて心を痛めています。

 

冬真っ盛りで気が回らない背景もあるのか、一人相撲になっていることに力不足を感じている次第です。

着物に触れることの少ない人たちに、着物に関心を持ってもらうことって生易しいことではありませんが、諦めてはいません。

 

それは、呉服店さんが少なくなった郊外で実店舗持つことの意味が問われていて、地域と寄り添うことができて初めて、店の価値を図られるからです。

 

どうしたらいいのかを、着物を知らない人の目線に立って考える必要があるようです。

 

 

 

加賀友禅訪問着

加賀友禅訪問着

こちらの訪問着は、入卒用にこだわりを持ったお母さんを睨んで用意した新作の加賀友禅訪問着です。

加賀友禅の産地とあってリーズナブルなお値段で紹介させていただいていますが、これも自己満足で終わっているのかもしれません。

 

 

 

加賀友禅訪問着

加賀友禅訪問着

こちらの作品を作られた方は、70歳を越えられた男性の作家さんで、業界のけん引車とも言える方です。

女性の作家さんかと思わせるような優しい模様の描き方だと思いません?

柄の付け方にボリュームがありながらも、年代幅も広く、品格のある訪問着だと思っております。

 

作品名は槙山茶花(てんざんちゃばな)と付けられていて、水色地に白い花と白い葉、色とりどりの実がなり全体に流れがある構図だそうです。

そのような作り手の想いを伝えていくのも私たち呉服店の役割かと考えていますが、簡単にお嫁に出せないところが悩ましいんですよね~

 

新しい着物を用意される方が少なくなっているだけに、私たちの提案力が問われる時代と言えます。

考えさせられることが多くありますが、地域の方々と向き合える店を築くためにも、この仕事に誇りを持って、工夫を重ねていくことが必要かと思っている私です。

 

それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。

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