もしかしたら私の仕事はお客様から断られることの多い業種かもしれません。
何故なら、着物需要に溢れた時代は遠い昔のことで、営業力がモノをいう時代になっていて、お客様を待つだけでいてはジリ貧になっていくと言っても過言ではありません。
それ故に、店舗に人を寄せることに知恵を出さなくてはなりません。
その基本となるものは、店作りに工夫を凝らすこかと考えていますが、それだけではお客様を動かす動機に結び付いていないのが現状で、同時にお客様へのアプローチも怠らないように刺激を与えているのが和装業界なのでしょう。
そこで生じてくるのがイベントの案内や一歩踏み込んだ形のお誘いのアプローチ。
ここにお断りとも取れるお客様からのメッセージがあり、それが続くと自信を失いそうになりるから怖いです。
和装業界だけでなく、あらゆる仕事に就いて廻る営業の厳しさかと思えますが、タフでないと勤まらない仕事かと思っています。
そのこととは別に問題にしたいのは、魅力的な店ってどうしたら作れるのでしょうか?
考えても考えても答えが見つからなくて、何処かでリセットしないと思っているこの頃です。

絽の附下
夏と言えば浴衣という流れが定着していて、絽の附下などのフォーマル着のご相談がメッキリ少なくなっていていることが気にかかります。
まだ夏物のガジュアル着は健闘しているようですが、フォーマル着は昔と様変わりしたことを感じさせらています。
だって、7月の結婚式披露宴に袷の着物を着て出席することに違和感を持たない人が多いことを思うと、着物に四季が無くなってしまった感じがします。
昨日も7月の結婚式に出席される着物のことで相談を受けました。
結婚式の披露宴に袷の訪問着と振袖を着て出席されることを考えていらっしゃって、それが適当なのかの相談を受けた訳ですが、袷の着物が着れないとしたら他の選択肢に何があるのかを問いかけると返ってきた答えは洋服。
ここが呉服店としてとても悩ましいところです。
着物をお持ちだったら着ていただきたいし、しかし着る季節を考えると袷の着物は季節外れだし・・・
季節に合った着物を用意される気持ちもなく、私が間違っていると言えば洋服の選択が残っているという。
新郎新婦のお母さんが袷の比翼付き黒留袖を着ることを考えれば、私の本意ではないが、袷の着物をお勧めさせていただいた次第です。
道理が合わないことが分かっていても、それを受け入れなくてはならないところがあり、そのことで夏物のフォーマル着が動かない要因の一つになっているとしたら、自分で自分の首を絞めていることになります。
弱い立場にいることを感じている訳ですが、いつの日か”着物は四季を問わないお召し物”になっている時代が来るのかも・・・
この流れを私たち業界人はどう受けたらいいのでしょう。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま







