今日は比較的気温も低くて過ごしやすさを感じていました。
今日は25日から開催する「涙市」のご案内に回っていて、何事もなく平凡な一日で終わったような気がします。
そうした中でも、お客様から刺激をいただくことがありまして、年を重ねたお客様が私のこのような話を。
「これまでできたことが体力の衰えからできなくなってしまって、それがとてももどかしい!」と・・・
80歳を過ぎていらっしゃるかと思いますが、腰に痛みに悩まされているそうで、立ち話をする中で老いていくことの儚さを感じた次第です。
生きることに必ずついて来るのが「老い」です。
個人差があっても、年を重ねれば人を差別することなく訪れる「老い」。
必ず私にも「老い」というものがやってまいります。
出来ないことが一つづつ増えてくるに違いありません。
それを情けなく思い残された人生を悲観するかもしれません。
それは周りの人の力をダイレフトに借りて生きていくということで、生きる気力があるかないかでハッピーの色が変わってくるのでしょう。
そんなお客様を何人も見てきたもので、「老い」とどう向き合えばいいかを考えさせらることがあります。
まさにその瞬間でした。
そしてそのお客様はこうも話してくださいました。
「長い間、同じことを同じ場所で頑張ってるよね~
今の店を出してどれくらい経つ・・・?」
遠巻きに私の店のことを気に掛けてくれていて、その労いの言葉に元気をいただけた気がします。
ただそれだけのことなのに嬉しかったです。
私は人の人生を鏡に映しながら生きているのかもしれません。
お一人で大きなお屋敷を守りながらも老いていくことを明るく話される姿に、小さなことでクヨクヨしている自分が情けなくなりました。
健康な体を持っているのだから、後は逞しい心を手にして、生きる人たち皆にパワーを与えられる人間にならないといけませんよね~
またもや前文が長い話になりましたが、今日はシンプルな柄の男物浴衣をコーディネートしてみました。
濃紺で連続柄の幾何学模様の浴衣地を博多織の角帯でコーディネートしたものです。
浴衣地は帯のブランドで有名な龍村織物から出されている浴衣なんですよ・・・
博多帯を合わせたことで正統派の着こなしと言えるのではないでしょうか?
着物を着るなら目立ちたいと思うのが男性の心理かと思いますが、あえてその感情を表に出さずにサラッと着こなすところに男気かと思います。
そんな雰囲気を匂わす紳士的な浴衣です。
まずその点を先に押さえておいてください。
その上で皆さんにお伝えしたいことは、体型に合った寸法でお仕立てを加えることが、お洒落をするうえで最も大切な条件となるでしょう。
それは着る人の身長で浴衣の長さが決まるからで、腕の中さも人によって違えば、お腹周りも違うとなれば、オーダーメード仕立てがいいに決まってす。
そてを既製品の浴衣で間に合わせようと思うと、何処かに無理が生じて着姿が野暮ったくなったりします。
となれば、せっかくのおしゃれも台無し。
だから男物浴衣はオーダーメイド仕立てに限ると思ってください。
店には男物浴衣の反物が数多く揃えているので、是非とも参考にしていただけたら嬉しく思います。
浴衣地を選び、そして体型を採寸してプロの和裁士が仕立てを加える。
この時点でお洒落は半分くらい決まったと言えますが、身のがしてならないのが帯です。それも角帯がカッコよく見えるのではないでしょうか?
このに並ぶ角帯は西村織物の博多織で、雰囲気を変えて締めていただけるようにリバーシブルになっているものです。
先の浴衣には白系(上から3番目)の帯を合わせましたが、シルクなので、とっても締めやすくで緩んでこないのが博多織角帯の特徴と言えます。
一生使えるものなので、妥協しないで品質にこだわることがあっていいと思っています。
帯が決まればお洒落は90%まで到達したといえるでしょう。
後は下駄と信玄袋を用意すれば、男のお洒落が整ったことになります。
好きなことを書いていますが、今からでも浴衣のお仕立ては間にあいますので是非相談ください。
では、これにて・・・
お休みなさい。