今日は2021年のゆかたが地元金沢市の仕入先で発表されるとのことで、娘と二人で会場に足を向けてみました。
毎年この時期に開催されているものですが、今回はいつもと勝手が違います。
というのは、昨年の夏は新型コロナ感染の広がりから、全国の花火大会や夏祭りが全てと言ってもいいくらい中止になり、ゆかたがまったく動かなかった年です。
掘り下げて言えば、ゆかたが消化できなかった年で、きもの専門店さんに限らず、問屋さんもゆかたメーカーさんもゆかたの在庫を沢山残した年だったと言えるでしょう。
和装業界はそのダメージを受けたまま秋冬商戦へと向かって行ったわけで、コロナで受けた影響は夏以降も続き経営を揺るがす自体に・・・
そのような背景があって開かれたゆかた発表会ですが、コロナ禍は業界の循環を徐々に止めるものとなっていると言えます。
昨年はゆかたのお嫁入りが激減し、昨年と同じ取り組み方で仕入れをすることを避けようとしているのがきもの専門店さん。
一方で仕入先は、きもの専門店さんが昨年仕入れたゆかたを消化しきれなくて、ゆかたの注文が激減することが予想されます。
その対策として新作ゆかたの商品作りを少なくして、在庫が軽減できるやり方を考えて経営改善化を図ろうとする。
この流れが悪循環の道を広げて行くのでしょう。
まさに今回のゆかた発表会はコロナ禍の現状を映し出していて、活気と勢いというものが感じ取れなくて寂しく思いました。
昨年は当店も夏のイベントが全て中止になり、ゆかた需要は激減。
昨年仕入れたゆかたをお客様に見ていただく機会も失っていて、今年はゆかたの仕入れはほんのわずか。
言ってみれば、昨年の仕入れたゆかたを今年の新柄扱いにして、密度の濃いオシャレ提案をどのようにして展開していくかが問われるゆかた商戦かと考えています。
そんな構想を持ってゆかたを拝見していると、娘が「東京オリンピックが中止になったみたい!」
ヤフーニュースで流れたようでしたが、予測はしていたもののあまりにも急だったもので驚くと同時に日本経済に混乱が起きるのではないかと思いました。
同時にいろんなことが頭の中で走り回り、東京オリンピック出場が決まっている選手達の失望感は計り知れないものがあるのではないだろうか?
オリンピック中止となれば、今年も花火大会や夏祭りが中止になるかもしれない。
そのような自体になれば再びこの店に悪夢が襲う。
物の数十秒で物事の考え方が逆転しはじめて、ゆかた戦略プランにヒビが入り割れ落ちていくのを味わいまして。
後に分かったのですが、オリンピック中止の情報は海外から出たもので、決定したものではないことが分かりました。
それにしてもお騒がせな話です。
このコロナは、人類の生活を何処まで奪い取ったら気が済むのでしょう。
踏み出そうとするとコロナの壁が待つ受けていて、その壁を乗り越えるパワーが必要とされています。
どの選択が正しいなんて言えないコロナ禍だけに、自分が決めた道が最善のやり方だと信じなくてはならないのでしょう。
夏商戦を考えないといけない時期だけに、頭を悩ますゆかた発表会となりました。
午後から外回りをしていたのですが、道路を走っていると白い霧が舞い上がっていて、霧の向こうから怪しげな物体が出てきそうな気配。
人影も車も走っていなくて、とても神秘的な瞬間でした。
そして最後に「ありがとう」という言葉を投げかけて今日を閉じたいと思います。
では、お休みなさい。