きもの再生のお仕事/派手になったピンクの訪問着をビフォーアフター

訪問着をビフォーアフター 着物の再生/リフォーム

私は現在の仕事を半世紀続けていますが、着物ヘの価値観の変化に考えさせられることが幾度もありました。

現在の仕事に関わったのは昭和48年のことで、社会人となって京都の染元に就職したことが始まりでした。

着物がどんなものかも知らずに、テレビドラマの影響を受けて大阪商人になりたくて、ただ、それだけの動機で染屋さんを選択したまでのことで、家業が呉服店だった訳でもなく、着物が好きでたまらないということでもなくて、単に”大阪商人になって頑張ればお金持ちになれる”と夢見て、親にも相談することなく一人で決めた仕事だったのです。

その3年後に石川県の呉服店にスカウトされて、初めて小売業への道に進こととなりましてね~

当時は呉服店も多くありまして、昭和50年頃から大型ピングセンターが出来るようになり、その中に呉服店がテナントとして入るようになり、県外のチェーン店もテナントの中に入って、お客様の争奪戦を繰り広げていた時代でした。

その時代は、既製品の着物もなくて全てオーダーメイドで仕立てる着物だったように記憶しています。

何処の呉服店さんも勢いがあって、消費者は娘さんのお嫁入りには着物を支度して持っていくものだと考えていて、年頃のお嬢さんがいらっしゃる先をターゲットに様々なアプローチをしながら商いに繋げていたいい時代でした。

その当時は古着を販売する店も、着物を買い取りする店もなくて、唯一ブライダル衣裳のレンタルを専門とした貸衣装屋さんが存在していました。

それから数年後に、大型ピングセンターが夏場にゆかたを取上げるようになり、ゆかたの既製品も並び始めたように思います。

その頃から異業種もゆかたを取り扱い始めて、私の肌感覚で言わせていただけるなら、北日本大震災が起きるまでゆかた需要は右肩上がりで成長し続けてきたように思います。

少し話を戻しましょう。

昭和の時代はブライダル産業に助けられて生き延びてきた業種といっても過言ではなく、年頃の娘さんがいらっしゃる先には、数件の呉服店さんが出入りしていたのではないでしょうか。

最初は模様が入っていなくて流行に左右されない喪服や色無地などからお勧めさせていただく訳ですが、娘さんのがいなくても買い物に繋がった着物でした。

喪服は黒ですが、何故か色無地になると派手物はピンクかオレンジ色で、今にして思えば、他に派手物の色がなかったのかと思っています。

なので派手物の訪問着や付下げもピンクかオレンジ色が主流で、店に派手で着られなくなったとの相談から、お持ちになったご自身のお着物を拝見させていただくと、圧倒的にピンク系の色が多いことに気付かされます。

前置きが長くなりましたが、ここからが本日の生地となります。

昨年出会いをいただいたお客様から、結婚されるときに用意したピンクの訪問着が派手で、染替えが出来ないかとの相談がありましてね~

【派手になった訪問着を染替えたいとの相談】

その訪問着がこちらの画像になります。

ピンクオレンジ系の地色で、ご相談を受けて、着物の地色を替えるには二つの選択肢がありまして、一つは、こちらの地色の上から別の色を引いて着物の地色をおとなしくする方法がありますが、地色を現在の色よりも淡い色に替えるこは出来ず、濃度の濃い色で染めないとなりません。

同時に模様の部分の色も沈んでしまうので、染め上がりがかなり変ってしまうことから、色無地に染替えにこの方法を活かすことがありますが、訪問着や付下げには刺繍や箔なども使っていることがあり、リスクを伴う仕事はお断りさせていただいています、

二つ目の方法としては、模様の部分を糊で伏せて地色を替える方法です。

この染方ですとお客様のご要望に添った地色で染替えが出来ますが、コストと時間がかかるので、お客様はそこまでの価値があるのかを考えて判断されますが、このお客様は、お母さんが自分のために用意してくれた着物なので、染替えをしてこの先の着たいとのことでした。

こうしたお考えのお客様は非常に少なくて、染め直しに思っていた以上に料金がかかることが分かると、リサイクルショップで引き取ってもらうとか、処分するよう話をされる方がほとんどで、とても寂しく思う次第です。

その意味では、一枚の着物を通して母と子の絆が残されていて、それを大切にしたいと思っていらっしゃるお客様の心と着物の良さを教えらました。

そして染替えのお仕事を承って3ヶ月以上経ちましたが、染替えを終えて仕立て替えができました。

【ビフォーアフター】

ワイン色に染替えをして裾ボカシを色を抜く感じで新しい訪問着として生まれ変わりました。

こちらの地色はお客様と相談して決めた色で、とてもいい感じに染上がったではありませんか。

【派手になったピンクの訪問着が・・・】

【ビフォーアフター】

これから歳を重ねてい着ていただける着物となって、本当に良かったと思っております。

現在色無地の染替えキャンペーンをさせていただいていまして、違ったお客様から訪問着二点と色無地の染替えををいただいてまして、お客様の承認をいただけるようでしたら、ビフォーアフターが終った時点でご紹介させていただきたいと考えています。

皆さんの中で、着物の染替えを希望される方がいれば、いとでも相談ください。

先に見積もりを取らせていただきますので、ご予算を越えるようであれば遠慮しないで「NO」と言ってくださったかまいませんので、気軽に声をかけてください。

1991年(平成3年)にバブル経済が弾けて、着物に対する価値観が大きく変り始めて、ブライダル産業に依存していた着物業界が大きく変り始めて、コロナ禍、そして物価の高騰が続く中で呉服店の存在が小さくなっていることに危機感を持っています。

新しい商品を販売することを忘れてはなりませんが、片方で、着物の染替えとか仕立て直しなどの仕事を承りながら、お客様との信頼度を高めて行くことに力を注いでいくことが、きもの専門店の役割ではないでしょうか。

纏めることが出来ていないかもしれませんが、今日はこれで終らせていただきます。

ではこれにて・・・
お休みなさい。

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