結婚式に出席する際の着物について相談をしたいと、能登地方から着物を持ってお越しになったお客様の来店がありました。
数年前に娘さんの振袖のことでお世話になったことのあるお客様ですが、呉服店が少なくなったとはいえ、能登方面にも呉服店は幾つもあるわけで、私の店で相談をしたいと思っていただけたことは、このうえない光栄なことかと思っております。
このことからも、信頼の重さを感じさせられていますが、買い物がある無しに関わらず、頼りにされていることに対して元気をいただけるものです。
特にコロナ禍だけに励みになりましたし、今の店作りが間違っていないことを教えられた出来事だったと受け止めています。
お時間を使って遠方から来てくださったことに感謝申し上げたいです。
ありがとうございました。
話題は替わりますが、和装のお洒落は着物の形がオールシーズン同じだけに、洋装のような形のデザインというものがなくて、色合や柄の模様で季節を表現したり、お目出度い席や悲しい席を使い分けたり、着物の素材や風合いを替えて訪れる季節に対応したりして、趣を表現するものだと思っています。
それは人間関係の礼儀と節度、色や模様などでお洒落の在り方を伝えていて、お一人お一人の個性として現われるものだと考えています。
そしてその組み合わせは無限にあるからこそ、お洒落を楽しめるのではないでしょうか?
その着物の美しさは先人達が築き上げたもので、まさに日本の文化と言えるものです。
和装業界で仕事をしている者として、どのような時代になったとしても着物文化を伝えていくことが私たちの役割かと思っています。
今日の話題は小さな小物からお洒落感を伝えられる話をしたかったのですが、記事を書いている間に大きな話になってしまい、上げた拳を何処に収めようかと思っているところです。
このにアップしたかんざしは着物の装いを華やかにするアイテムの一つですが、同時に今の季節を伝える役割もあり、お洒落なかんざしかと思っています。
左側から「南天」、「椿」、「梅」の模様で、着物や帯から季節感を伝えるところがなくとも、こちらのかんざし一つで、季節を伝えらきれるのではないでしょうか?
そんな解釈ができれば、着物の装いを楽しめますしご自身のセンスを映し出すことができます。
ここが着物の面白さです。
例えば会食の場に、その季節に合ったかんざしを挿して出席されたとしたら、その心遣いに、小粋な方だと思われる方は少なくないのではないでしょうか?
ここにお洒落な着こなしのツボかあり、6千円前後の品でご自身の心の美しさが浮かび上がるのではないかな~
和装小物で季節感を表現することって、簡単にできそうでなかなかできませんが、心がけているとセンスが磨かれて、個性を発揮できるに違いありません。
大きな話から小さな小さなかんざしの話題になりましたが、参考になれば幸いに存じます。
ということで、今日の記事とさせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい。