静かに過ぎた一日でしたが、私にはそれが帰って息抜きとなって良かったのかもしれません。
時間に追われることなく仕事ができたのは久しぶりのことで、お客様とのコミュニケーションも取れて穏やかさを取り戻せたのかも・・・
特に今日は阿吽の呼吸が取れるお客様が多くて、昼食がカップ麺焼きそばだったもので、お湯を注いで3分のタイマーが鳴り、カップ麺のお湯を流そうかと思っていたときにお客様。
店は私一人体制で女性陣たちはお休みとあって、直ちに対応しなければなりません。
でも、カップ麺のお湯だは流しておかねばならないと思って「しばらくお待ちください!」とバッグヤードから大きな声を張り上げ、お湯を全部捨て終わってから、売場に出ると馴染みのお客様だったのです。
私の顔を見るなり、そのお客様は私に「食事中だった・・・!」
とっさに、この人だったら訳をお話しすればしばらくお待ちいただけるかもしれないと思って、「カップ麺にお湯を注いだところで、ほんの少しだけお待ちいただける・・・!」
するとそのお客様は、「30分でも一時間でも店内の商品を眺めているから、ゆっくり食べてんか・・・!」
その言葉に甘え、カップ焼きそばを口に掻き込むかのように食べ終えて、お客様の前に出ると、もっとゆっくり食べればよかったのに・・・!」と優しい言葉を投げかけてくださいましてね~
無礼な立ち振る舞いを寛大な気持ちを受け入れてくださったことに、お礼を申し上げたいです。
お待ちいただいてありがとうございました。
他のお客様だったら、そんな話は一切せづにご用件を承っていたに違いありません。
勝手な解釈かもしれないが、そのお客様とは背伸びをしないで本音でお話ができると思えたからで、カップ麺の昼食であることだって、気取らず話ができたのだと思います。
そのお客様は丹後木綿の着物や他の商品も買い求めてくださいまして、本当に嬉しく思っている次第です。
今日はそのようなお客様との関わりが4件近くありまして、背伸びをしないでザックバランに接客をさせていただくと、受け取ってくださったお客様も警戒心を取払ってくださって、柔らかな関係性が創り出されることに、不思議さを覚えています。
日が落ちた頃にお越しになったお客様は、「私のペースに合わせてくれるから、その気楽さに、こうして寄れるのかもしれない!」
そんなお話をいただくことに・・・
その言葉を受けて、
私も最初はどのような価値観をお持ちか分からず言葉を選んで話をさせていただくことも少なくなく、こうして長いお付き合いができるようになって、本音で話ができるまでになったことを嬉しく思っていることをお伝えすると、穏やかな笑みを浮かべていらっしゃいました。
誰だって自分を良く見せたいし弱みを見せたくはありません。
背伸びはある種の防御となりますが、信頼関係を築こうとしたときには邪魔なものです。
ありのままの姿を見ていただくことで、その姿をお客様は真摯に受け取ってくださるだけでなく、店との関わり合いに安心を持っていただけるのではないでしょうか?
そのことを多くのお客様から学ばさせていただいています。
だから嘘があってはならないのです。
少なくてもこの店にあってはならないし、正直であることが信頼を深めると思わなくてはなりません。
当たり前のことなのにこれが難しいとは、人間の社会に渦巻くプライドが邪魔をしているのかもしれませんね。
この画像は加賀友禅訪問着を黒っぽい袋帯でコーディネートした画像です。
「春望」というタイトル名からして、春が近い山並みを背景にした風景画を描いたもので、中高年層の訪問着と言えるかもしれません。
以前、この柄をお描きになった作家さんに、娘が中学生の時に工作で作ったレモン色のウクレレを染帯として描いていただいたことがありますが、これまでの作風とはまったく違っていて驚きがありました。
加賀友禅作家さんもこれまでの作風から脱皮したものを描きたいと思っているのかもしれませんね。
その気持ち痛いほど分かるだけに、ここに紹介さていただきました。
それではこれにて・・・
お休みなさい。