私の娘(長女)が小学校の教師をしていまして、その娘から小学4年生の社会の授業で石川県の伝統文化となる加賀友禅の話をして欲しいと頼まれていましてね~
その日が11月4日の日で、日が迫っていることもあって打ち合わせに昨日店に来ていたのですが、何分にも初めてのことなので正直なところ戸惑っております。
とわいえ講師として授業を受け持つ以上は、子ども達の心に響く話をしなくてはなりません。
当日は別室の部屋が用意されていて、45人近くの生徒の前で45分の授業を受け持つ訳ですが、大人の前で話すのとは訳が違うので、「着物文化の話も必要かもしれない」とか、「加賀友禅の歴史や制作の工程も伝えなくてはならない」。
そんなことを色々考えていると、時間内のまとまられるのかが不安でなりません。
娘からもらった資料には、
子どもになげかける課題として、「県内にある古くから残るものには、どのような願いがこめられ、どのように受けつがれてきたのでしょうか」
という一文が書いてあって、単に加賀友禅の特色を語るだけでは物足りないのではないかと思い始めて、親しくさせていただいている加賀友禅作家「牧野顕三」さんの工房にお邪魔してお話を聞かせていただくことに・・・
牧野顕三氏は初代由水十久氏の基で修行された66歳になる作家さんです。
思い立って電話を入れると、私で良ければと快く時間を作って下さいましてね~
お会いして作家さんの目線でいろいろお話を聞かせていただいてきました。
例えば、作品を作る前に着姿のスケッチした資料や、10代にスケッチを勉強したいた当時の資料を拝見させていただいたりして、加賀友禅の伝統の技というものがどのようなものなのかを詳しく聞いてまいりました。
日本の経済のバブル期の頃は加賀友禅作家さんが多くいて、お弟子さん何人も抱えて作品作りしていたが、現在はお一人で作品作りをしている作家さんがほとんどで、時代の変化の中で仕事が入ってこない作家さんも少なくないそうです。
その中で石川県の伝統文化となる加賀友禅の産業を守って行くことは大変なことです。
消費者と最も近い立場にいる呉服店が加賀友禅の魅力を伝えて行くことことが私の役割でもありますが、伝える側の呉服店さんが激減していることを考えると、小学生の前で加賀友禅の話が出来る機会をいただけたことを光栄に思っています。
願わくば、加賀友禅の話を聞いて、その中に自分の好きな絵を着物にしたいと思ってもらえる子が現われたとしたら、伝統を引き継ぐことに繋がるのではないだろうか。
私の役割がそこにあるように思えてなりません。
与えられた時間の中で、加賀友禅の仕事に関わっている人達の想いと加賀友禅の魅力をどのようにして伝ええられるのか。
娘からもらった宿題に応えられる話が出来るよう、もう一度、仕事に関わっている人達の話を聞いてみたいと思っている私です。
牧野さんとのお話の最後に、糸目糊の線の細さを拝見させていただきました。
絞り出した筋を引くような青い線が糸目糊となりますが、この話をし出すと話が難しくなるので、使う機会にブログ記事として取り上げてみたいと思っております。
中途半端な記事で記事で終わることとなりましたが。今日の記事とさせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい。