この写真は加賀友禅の訪問着です。
とてもいい柄だと思いませんか・・・・・
加賀友禅といえば、私が住んでいる石川県で染められた友禅なんですよ。
その加賀友禅のことについて少し紹介してみることにします。
加賀百万石の城下町には梅染と呼ばれる染物がありました。
京都で友禅を大流行させてと伝えられる宮崎友禅斎が晩年加賀へ来て友禅の技法を伝えたことが、加賀友禅の基礎になったと語り継がれています。
加賀友禅の特徴は写生を基本に描かれ、風景や花、草木の模様が多く、刺しゅうや箔は使用されずに、染だけで制作されています。
そえだけに、柔らかさと上品さがあるのかもしれませんね。
この加賀友禅を北陸の地方区から全国区に知れ渡るようになったのが重要無形文化財保持者であった木村雨山 (きむらうざん) 氏の存在が大きかったようです。
雨山氏は昭和52年に亡くなられましたが、現在、活躍されている作家の多くは、雨山氏の弟子や孫弟子で、手描友禅の落款 (らっかん) 名簿には二百数十人の作家さんが登録されています。
しかし昨今の厳しい情勢で、需要が少なくなり廃業される方や、やむをえず他の仕事に就かれる方もあり、仕事として成り立っていない作家さんも少なくないと聞いています。
作家さんの格差が表面化してきているようです。
私は希少価値のあった加賀友禅が、バブル期に量産し過ぎたことが、加賀友禅の作家さんの「こだわり」を無くしてしまったのではないかと、
そして、私達呉服店も作家さんの苦労に目を向けず、乱売し過ぎたことも、その背景にあったように思っています。
それぞれの立場で、伝統にあぐらをかいていたのかもしれませんね。
そのような中で、ようやく安定し始めた加賀友禅、
お客様が求めているのは価格帯もありますが、それ以上に柄や色合い、そして作家さんの個性のようです。
一度は袖を通してみたい加賀友禅、
その憧れは今も変わっていないようで、その願いに応えられる加賀友禅でありたいものです。
これは加賀友禅産地商標です。
赤が手描友禅、黒留袖・色留袖・訪問着などに付いています。
紫が板場友禅、型染めの小紋や浴衣などで、緑は合繊の商品に付けて解りやすくしているんですよ。
そして風呂敷などの小物の商標は丸い形をしています。
参考にして理解を深めていただければ幸いです。
明日は京都の出張。
お目当ては、古布を使って仕上げた木目込みのお雛さん。
高額な商品でもあり時間を割いて見てくるつもりです。
憧れの加賀友禅
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