ゆかた商戦も中盤戦ヘと入りました。
ここまでの動きを見てみると、決して良いとは言えませんが、ある程度着物のことが分かっていらっしゃる方が選んでくださる“こだわりの浴衣”は早くに動き出したように思っています。
一方で10代後半から20代の若い方が新規でゆかた選びに来店された方は、ご予算の開きがあるのか、決定力に欠けるところがあります。
始めて店を覗かれることもあり、お母様と同伴で見に来ていらっしゃいますが、店にある浴衣地から選ぼうとすると、クオリティーの高い浴衣地に心が惹かれるみたいで、ゆかた帯を正絹の博多織り半幅帯で会わせて、桐下駄でコーディネートさせていただくと、ほとんどの方が満足していただかるものの、その後が良くありません。
お仕立て代も加えた総額をお伝えさせていただくと、10万円近くなることもあって、その金額にビックリされるんですね~
金額の高い品を選んでいただくつもりはなくても、いろいろ紹介させていただくと、特徴のある浴衣地に目が留まるのか、リーズナブルな価格帯の商品に心を動かすことがなくて、お母さんからは、数日考えさせて欲しいと言って店を後にされます。
店ではコーディネートされた品々を数日間売場から下げて、連絡が入るのを待ちますが、商談が決ることはほとんどありません。
今年は新規客のこのパターンが多くありまして、現実の厳しさを味わっております。
そんな折、数日前の日曜日にお母さんに連れられて、息子さんのゆかたを見立てて欲しいと言って入店された新規のお客様がいましてね~
その男性は10代の方で弓道を習っている言っていましたが、なかなかのハンサムボーイで、いろいろご紹介させていただいた中で最もお高い老舗ブランドのゆかた地を選ばれましてね~
そこに博多織リバーシブル角帯と桐下駄に巾着までコーディネートさせていただいたわけですが、ご本人も気に入っていまして、お仕立て代を加えた総額をお伝えさせていただくと10万円を超えるものになっていまして、ここでもお母さんはビックリ。
またもやこのパターかと脳裏を過ぎるものがありましたが。
ほどなく、しばらく考えさせて欲しいと言って、お帰りになった訳ですが、二日間待って連絡がなかったもので、今朝お見分け品を売る場に戻すと、夕方に最来店がありまして、「いただくこととしました!」との返事をいただくことができたんですね~
お話しを聞かせていただくと、「あの日、他の店にも行ってみたのですが、ここの商品に勝るものがなくて、心を決めました!」と行ってくれたんですね~
そのとき分かったのですが、息子さんがさんが高校生と聞いて、今度は私がびっくり!
角帯の締めからも知らないというので、しばらく角帯の締め方を指導させていただいたりしましたが、お住まいがお近くであることが分かったので、何度か練習の来るようにお伝えさせていただいた次第です。
その時にゆかたのたたみ方も教えたいと思っています。
お母さんからは「近くにこんな店があって良かった!」と言っていただけましたが、私が御礼したい気持でいっぱいになっていて、本当に嬉しく思った次第です。
そこで私は思います。
コロナ禍以降、ゆかたを染める会社少なくなっていて、伝統にこだわる正統派のメーカーさんは、材料品の高騰や職人さん不足から、販売価格が年々高くなっていって、しかも点数が作れなくなるという厳しい状況下に置かれています。
時代に流れに任せていては、20代前後の人たちは、反物からゆかたを仕立てるということをしなくなるのではないでしょうか。
何処かの時点で見直す必用がありますが、生地や染料の高騰は、作り手側からしたらどうすることもできません。
日本の伝統を守るという意味合から、国が資金援助できるような制度が作れないのかと思ってしまいます。
それと後継者育成に、学びやすい環境が作れたなら新しい風が吹くに違いありません。
いろいろ考えてしまいます。
【当店のリーズナブルな価格帯の浴衣地】
ところで当店のリーズナブルな浴衣地となればここにアップさせていただいた商品になります。
どれも税込み価格22,000苑のゆかた地で、オーダーメイドのお仕立て代が加われば、3万4千円~3万5千円くらいになります。
このような商品だと、1万戦後の化繊のゆかた帯で対応することができますが、5万円くらいから9万円を越えるようなこだわりの浴衣地になると絹物の帯を合わせないとコーディネートがまとまらないために、ゆかた初心者の方にはハードルが高くなってしまいます。
いろんなゆかたコーディネートが一目で分かるように、これからしばらく「ゆかたのオシャレ特集」を始めさせていただきます。
店内が所狭しとゆかたがコーディネートされた状態で売場を埋め尽くされています。
宜しければいつでも覗いて見てください。
ゆかたもこんなに進化したのかと見て取れるかと思っています。
随分長い記事になりましたが、今日はここで終らせていただきます。
では。お休みなさい。