明日からの卯月の会に向けて準備を進めてまいりましたが、ようやく皆さんにご覧いただけるまでになりました。
【永治屋清左衛門展が明日24日(木)より始る】

当店が創業40周年を迎える節目の年となることから、これまで行ってきた催事の中で最も評判の良かった「永治屋清左衛門」の着物と帯を再びここの取り上げさせていただくこととしました。
この会を開催するに当り、何か新しいことができないかと検討を重ね、石川県にゆかりのある着物を作ってみせはどうかと提案を永治屋さんよりいただきまして、その着物が本日届きましたので、後ほどご紹介させていただきたいと思います。
その前にお市の方の三女・お江の方がお召になった着物柄を永治屋清左衛門さんが唐織りで織った着物がありましてそれをコーディネートしてみましたのでご覧ください。
【お江の唐織り着物をわびすけを刺繍した帯でコーディネート】

地色が墨黒とあって個性的な着物柄に見えるかもしれませんが、そのきものを”わびすけ”の花一輪を刺繍した帯で合わせたものです。
【お江の方の着物柄を唐織りで織った着物】

こちらの着物を織物の技法で模様を浮き織りと唐織りで表現したものです。
織物の着物は一般的に糸が引っ張られて生地が波打つことがありがちですが、永治屋さんは極細の世界最高ランクとなる「6A]の絹糸も用いて織り上げていることから、降り上がりの風合いが柔らかくて、絹が持ち合わせる艶が品の良さを創り出していると云えるでしょう。
その技を生かして織り上げたお江の着物柄がなんとも言えない味があって魅力的だと思いませんか?
唐織りの着物は平安時代の十二単に用いられた唐衣起源とされ、安土桃山時代には戦国大名夫人達に小袖として愛された唐織の技法として京都の西陣で織られていますが、唐織の古代染織の復元事業で培われた技法を清左衛門工房によって唐織の着物として現在に甦るものとなったものです。
その技法を活かして石川県にゆかりのある着物を作ってみてはどうかとのお話しをいただくこととなり、この会のために誂えていただくこととなりました。
その制作に余り時間がないことから細かな打ち合わせ出来ずにいて、その作品が店に届くまで心配でなりませんでしたが、色柄共に満足できる着物に仕上がっていて、ここに初めて紹介させていただく次第です。
その着物は唐織で作られたもので加賀百何石の前田家の「梅鉢文」と能登半島の復興を祈願して厄除けとなる「鱗(うとこ)文」とを併せ持った小紋柄となるものです。
その着物を地色を替えて三色誂えました。
「水色」「白茶色」「墨黒」の三色です。
その中の一色を永治屋さんの袋帯でコーディネートしたのでご覧ください。
【白茶色の地色に梅鉢と鱗文を唐織りで織った着物をコーディネート】

急いで写真を取込んだこともありまして正確な色が出ていませんが、このような感じでまとめさせていただきました。
上品でお茶席などの場に相応しい着こなしとなっていると思いませんか。
唐織の画像を大きくしてみました。
【石川県の着物として誂えた「梅鉢文」と「鱗文」の唐織きもの】

それがこちら画像です。
梅鉢文と鱗文を抱き合わせた部分とそれぞれが単体の模様で織られている箇所とがバランス良くミックスされていて、見事な着物柄にとして創作された着物地になっていると思います。
この石川県にちなんだ模様が初めてこのようにデビューできたのは永治屋さんもお陰です。
是非ともこの唐織の着物を目の前でご覧になっていただきたい気持でいっぱいです。
【雲立涌の三つ蝶丸紋唐織有職袋帯】

白茶色に合せた永治屋さんの帯も素敵でしょう。
こちらの帯は「雲立涌の三つ蝶丸紋唐織有職」の袋帯です。
永治屋さんの袋帯も世界最高峰の「6A」の極細の糸で織られていまして帯の裏地にも紋織りの模様が織ってあるというこだわりの袋帯なんですね~
明日から四日間、永治屋清左衛門の織りなす「黒留袖」「訪問着」「着尺」「単衣物のきもの」「夏物」「単衣物の羽織」「男物のきもの」などなど、織物の着物や帯が存分にごらんになられます。
是非とも時間を作って足を運んでみてください。
駐車場は店の後ろにもありますし、店の向かいにある「大名」さんの駐車場も利用していただけます。
そして今回新しく誂えた石川県の着物に限りますが、能登半島の復興支援として、お品代の一部を義援金として援助させていただきます。
長い記事となりましたが今日の記事とさせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい。