年末年始は一年中で最も平和な時と云えるのかもしれません。
今朝クリーニングを出しに行くと食品スーパーの駐車場は満車となっていて、誰もがお正月の準備に忙しくしている様子が伺えます。
平和な国であることを喜ばなくてはなりませんが、私の仕事がお正月とは無縁の仕事になっていることに考えさせられるところがあります。
今年を振り返ると、きもの専門店として土俵際ギリギリで踏ん張って来られたかと思っていまして、自分なりに通信簿を付けるしたら100点満点の60点ぐらいだったのではなかったでしょうか。
昨年と比べて良かったと思われる点は、着物の丸洗いやシミ抜きなどの着物メンテナンス部門が伸びていて、半衿の取付けも新規のお客様からの相談をいただくことが多くありました。
この結果から見えてくることは、地域の呉服店が姿を消していて相談できる店がなくなっていることが考えられます。
特に若い年齢層の方は呉服店との繋がりがまったくなくて、着物のお手入れを何処に相談したらいいかをネットで探す傾向にあるようです。
私はそのような人たちを言葉が適当ではないかもしてないが、「きもの難民」として捉えていまして、ここに一筋の明るい光があるのではないかと考えております。
大切な事は、新しい出会いがリピーターとなっていただくためにはどのような関係性を持ったらいいを考える必要性があり、新しいきもの専門店としての役割を見つけ出すことが課題となっていると考えています。
一方で新しい商品がこれまで以上に売れているとはいいにくいところがありまして、今年はタンスにある着物の縫い直しや、譲り受けた着物の寸法直しが多くありました。
これたのことを地域の呉服店として振り返ると、小売業というよりかはサービス業的な位置付けとなっていまして、手放しでは喜ぶことができませんが、多くの人のお役に立てたことは地域の中の呉服店としての位置づけを高めていくことができたかと思っております。
それと着付教室の申し込みがここに来て増えていまして、この点にも注目したいと考えております。
これらの現状を踏まえて、きもの専門店としてどう生きていくのかが大きな課題となっています。
ネットを通して県外からいただく相談は新しい商品の購入が多く、昨年と比べると少し伸びているのではないでしょうか。
ここにまだまだ伸びしろがあると考えていまして、商品のクオリティと情報の出し方の工夫が問われていると考えております。
とういのは、きもの難民はこの地域だけでなく全国に存在していると思っていまして、その人たちとの接点をいかにして見つけ出すかができるかが大きな課題となっています。
これからここに知恵を使って行けたらと考えていますが、何分にも私の頭脳が老朽化していまして、娘の知恵やこの分野の専門家のアドバイスを活かして踏み出して行けたらと考えているところです。
この先どうしたいのか、どんな店にして行きたいのかを明確にして、新しい道を探って行けたらと思っております。
どうか遠くから見守っていてください。
さて今日は、黒っぽい着物と帯を合わせて風変わりなコーディネートをご覧になっていただきたいと思います。
【黒っぽい牛首紬と黒っぽい月と帽子の帯で風変わりな着こなしを提案】

それがこちらの組み合わせです。
着物は地元で織られている先染めの黒っぽい牛首紬で、模様はただひとつ紫の太い縞が入っているだけの着物を黒地の三日月と山髙帽子帯で合わせ、足袋も草履も黒でコーディネートしたものです。
着こなしが神秘的で個性ある人でないと着こなせない雰囲気があるかと思っております。
【ベルギー生まれの画家「ルネ・マグリット】の作品をオマージュした帯】

合わせた帯は以前にも紹介させていただきましたが、ベルギー生まれの画家「ルネ・マグリット】の作品をオマージュしてつくられた帯で合せました。
不思議な模様の帯ですがとても魅力を感じていまして、小粋な着こなしにするよりも個性的に纏めた方が面白いと思って牛首紬とコラボさせてみました。
【黒のカジュアル草履と黒と赤のいろ足袋で合せる】

黒のいろ足袋の底が赤くなっているところがポイントかと思っております。
【腹の部分をコーディネート】

腹はこの月がひとつだけ銀の刺繍で入っていまして、蜘蛛と蜘蛛の巣の帯留めを加え三分紐を着物の縞の色で合せ見ました。
【蜘蛛と蜘蛛の巣の帯留め】

帯留め蜘蛛に使われている赤がルビーになって見えるアンティーク感が装いの魅力を高めているかと思います。
このコーディネートを認めてくださる方がいないかもしれませんが、思いっきり遊んでみました。
仮にこのコーディネートで街を歩いていたら、この装い目にした人は気に掛かっていろんなことを想像されるのではないかな~~
参考にならないかもしれませんが、オンリワンの着こなしも悪く無いかもしれませんね。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






