今日店の情報誌を「あ・うん」を持ってお客様回りをしていたこともありまして、店に根を生やしていた者にとっては少々お疲れ気味。
こんな日は早く家に戻って体を休めたいんのですが、もう一つこなさなくてはならない仕事が残っていましてね~
もう少し頑張らなくてはなりません。
10月に開催する神無月の会を「紅花紬展」と題して販促物を準備するにあたり、いつもお世話になっている印刷会社の担当者に来てもらって、手作りの原稿を渡したのですが、その場に居合わせた地元の仕入れ先の担当者がポツリ・・・
「北陸三県で紅花紬展とタイトルを付けて展示会をする先は何処にもない。唯一ふくしまさんだけや・・・!」
私に降った会話とは思えなかったので聞き流したものの、彼の言葉が頭に残っていましてね~
他の呉服店さんは展示会というものをしないのだろうか?
仮に展示会をしたとしても「感謝祭」とか「創業祭」みたいな冠を付けるだけで、商品名をタイトルにすることはないのかもしれない。
仮にあったとしても「振袖展」とか「加賀友禅展」といったメジャーなフォーマル着で、マニアックでカジュアルな着物を会のタイトルとして掲げるなんて考えられないのかもしれません。
この店が「きもの専門店」としてふさわしい店だと、地域の人たりから認めていただけるようになりたいと思っていました、そのための努力を積み重ねてまいりました。
なだまだきもの専門店と言える店ではありませんが、それでも半年に一度でいいからきもの専門店らしい催事をしてみたい。
そんな想いがあって、春の「卯月の会」と秋「神無月の会」の二つを固定させて、日頃見ることの少ない着物や帯を集めて、伝統の技をお伝えさせていただいている次第です。
誰もがそのような道をたどって、きもの専門店としての価値を高めて行くものだと思っていましたが、そんな価値観を持っている呉服店がいないことを聞いて、正直驚かされています。
担当者の呟きは、時間が経つにつれて自分が勘違いしているのかもしてないと、そんな思いが膨らんでまいりましてね~
これを雑念というのかもしれません。
私は思います。
全国のいろんな土地で作り方の種類の違った着物や帯が作られていて、それを紹介していくことが消費者に一番近い呉服店の役割だと考えています。
仮に偏った商品ばかりを採り上げていたなら、地方で細々と着物や帯の制作に携わっている人がいることを忘れ去られることにもなりかねません。
呉服店が少なくなっているだけに、残された店としてはスポークスマン役割も果たさなければならないと考えています。
この先のあるべき姿を考えたときに、それもコロナ禍の中で、どう舵取りをしたらいいか難しい問題ですが、要は、どんなに時代が変わっても着物をこよなく愛する人がいることを忘れてはならないのでしょう。
このことを軸に、この先の店作りの在り方を考えられる店になりたいです。
その事を胸に収めて山形県の「紅花紬展」に臨みたいと思っているところです。
こちらの着物は山形県米沢市にある新田織物の草木染の紬になります。
見た感じは紬の白生地に染を加えたてインパクトのある模様を描き出した着物に見えますが、すべて織物で描き出しているんですよ・・・
それも6種類の草花の染料を使っていて、その中に紅花が入っているようです。
これも紅花紬の一つで、10月の神無月の会には新田織物の商品を紹介させていただきます。
どうか楽しみにしていて下さい。
そうそう、紅花紬展は10月23日(金)~26日(月)の4日間の開催になります。
ではこれにて・・・
お休みなさい。