【店主の呟き】
毎日が気ぜわしくて駆け足で時間が過ぎて行っていることがよく分かります。
今日が何曜日で今月も残り少なくなっていることも頭の中にはなくて、店を開けたら、仕入れ先の○○社と○○社に注文を入れて、それが終わったらネットからの注文を処理し、今日は午前10時半からテレビ電話で県外の方と商談があるのでその準備を整える。
他にも処理しなければならないことが溜まっていて、いつまでたっても気持ちが休まりません。
毎日がこんな日常で、仕事でミスを起こさないように細心の注意を払っていますが、肉体はオーバーヒート気味となっていて温泉にでも入って体を休めたい。そんな心境になっています。
ということで、先の記事にも触れさせていただきましたが、県外の方から、「狐の嫁入り柄」の訪問着と帯をセットにしたものを新しく作るという創作きものを依頼されていまして、その別注染を加賀友禅で作らせていただくことに・・・。
その仕事を、二代目・由水十久氏で修行されて独立された「志々目哲也先生」にお願いをしていまして、何度がお客様と打ち合わせを重ねながら、原寸の図案を準備することができました。
その図案をご覧なっていただくために、お客様と予定をすり合わせて、本日テレビ電話でお話ができるとのことだったので、志々目先生にもお越しいただいてテレビ電話でプレゼンをさせていただくことに・・・。
前置きが長くなりましたが、今回のようなお仕事をいただくのは初めてで、何としてもお客様の想いを形にしたい。
お客様との遠い距離を電話やラインだけだなく、テレビ電話を使ってクリアーなものになればと、娘に手を借りて実現することができました。
この方面に慣れた方でしたら何の抵抗もないのでしょうが、何分にも私は“生きた化石”のような人間で、その方面には疎くて困ります。
【加賀友禅作家・志々目哲也と誂えるきものをプレゼンする】
娘がスマホを持ってくれている前で、先に私がお話をさせてただいて、次に今回の作品を創作していただいている志々目先生を紹介させていただいてから、志々目先生の想いを語っていただきました。
私達の背後に狐の嫁入りの図案を張り出していますが、先生からは図案をオープンにしないようにと言われていまし、判らないように画像を細工しています。
【加賀友禅作家・志々目哲也先生のプレゼン】
プレゼンのバトンを志々目先生に渡すと、娘は図案にスマホを近づけ、ライトは私が当てて、先生の説明が詳しく入ります。
その作業を順番に送りながら、全体像を見ていただくわけですが、お客様は私たちを信頼してくださっていて、修正が入ることはありませんでした。
お客様とテレビ電話でお話をさせていただきましたが、プロにお任せしたいという気持ちが伝わってきて、おそたく志々目先生もお客様のお気持ちを受け取ってくださったに違いありません。
お客様は急がなくていいからゆっくり創作にかかって欲しいとのことでした。
予定では今年の10月から11月頃を予定していますが、先にきものを仕上げてから、次に帯の製作に入るために、2点が揃うのは来年になりそうです。
作品が仕上がるまで先生と何度でも打ち合わせを重ねて、世界に一つしかない素晴らしい「狐の嫁入り」の作品を創って見せます。
どうか楽しみにしていてください。
白紙の状態から図案を描いて、その図案を基に色を指してきものを創り上げていく。
その仕事を志々目先生が受けてくださった訳ですが、きもの専門店としてこんな嬉しいことはありません。
同時にこのような需要がこの世に眠っているとしたら、多くの人に伝えていくこともきもの専門店の役割かと思っています。
「誂え」という仕事を伸ばす意味でも、今回の経験を大事にして、きもの専門店としての位置づけを高めて行けたらと思っている私です。
それではこれにて・・・
お休みなさい。