日本社会は新年度を迎えて新たな一歩を踏み出したようですが、私の店は何も変わらずにいて、今月の開催となる【復興展】のことで頭がいっぱいになっています。
一方で仕入先の担当者が今月から変わるという先もあれば、後数ヶ月で定年退職を迎えるという担当者もいたりして、明るい話題が少ないことに不満を感じています。
世界のニュースから見えてくることは、争い事や目を疑いたくなる事件が絶え間なく起きていて、日本経済に目を向ければ株価高騰で明るい兆しが伺えるものの、人材不足や物価高騰の煽りを受けていて、決して喜べる状態ではありません。
そのことに加えて和装業界においては高齢化が進むことに歯止めが効かなくなっていて、コロナ禍のダメージから開拓精神の意欲が薄らいでいて身を守ることに必死。
そのことが日に日に経営への体力を奪って行って、特に石川県においては能登半島地震の影響からか、ビションも語れなくなっている仕入先もあったりして、「どうしてこうなるの・・・?」
そんな想いで受け止めている次第です。
その意味でも今回試みようとしている【復興展】は、未来を切り開くものとなることが理想で、そこまで届かずとも、業界の明るい未来を示すものとならなくてはなりません。
それは「商品の品質」「見立てのセンス」「分かりやすい説明」「良心的な価格」「安心できる接客」から創り出される世界かと考えていまして、そのハードルに未来が隠されていると言えるでしょう。
とても荷の重い条件となりますが、高い志があってハードルが浮かび上がるもので、目的とする【復興展】にチャレンジさせていただきます。
その準備で忙しくしていますが、4月という月は気候が大きく替わろうとする次期でもあり、注文を入れていた浴衣関係の商品が昨日から入荷しはじめています。
そこで今日は本日入荷した竺仙さんのこだわりの浴衣から、こちらの商品を紹介させていただきます。
【竺仙さんのこだわり浴衣が入荷】
それがこの舟に笹模様の松煙染小紋です。
とても風情ある乙な模様で、涼しさが伝わって来ていませんか?
この枯れた感じの色合が魅力を引き出していて、松煙染めがなせる技かと思っています。
これは樹脂分の多い松の根を燻(いぶ)した煤(すす)を松煙といいますが、この松煙を膠(にかわ)で練り、豆汁に溶いて染めたものが松煙染です。
伝統的な染方の一つである「引き染め」による松煙染に手注しで彩色を施したものです。
その染め上がりは「志ぶ味」の竺仙と言われている味を存分に引き出していて、夏のおしゃれ着としてもお召になれる綿の着物となります。
季節の先取りとして、5月中旬くらいから着ていただける着物で、白っぽう色合の帯で合せていただけたら素敵ではないでしょうか。
今回の復興展にてこだわりの浴衣の数々をデビューさせたいと考えているので楽しみにしていてください。
それではこれにて・・・
お休みなさい。