◆
一週間という「十五万までも着物や帯の会」が昨日で終わり、今日はその後始末です。
プライスダウンした価格を元に戻し、売り場を広げるために敷いた仮設用の畳を上げて、いつもの売り場に戻す仕事で明け暮れていましたが、同時に月も変わるもので、新しい売り場の提案も考えなくてはなりません。
新しい売り場を作っては壊し、また作っては壊しの繰り返し、よくもここまで頑張るものだと自分ご褒美をやりたい気持ちになります。
(正直なことをいうと疲れていますがね~)
とりあえずは一区切りついてホットしています。
今日は或る方からの着物相談をメールでいただいたもので、その件について触れてみたいと思います。
ご相談者は関西方面の方で、ご質問内容は、有名な着物専門店のセールで60万円する附下げが35万円で販売されていて、心にひかれ購入を考えているのだが、価格設定が信頼できるものなのか不安があり、判る範囲でアドバイスが欲しいとの内容でした。
とても難しい質問にどのように答えたらよいのやら戸惑っています。
というのは、その商品を目にしていないからです。
そもそも着物というものは車や家電製品みたいにメーカーが販売価格を決めて店頭に並ぶという性格のものではなく、小売店サイドで商品価値を判断して価格を付けているのが現状です。
特に類似品が少ない品ほど、その傾向が強いかもしれません。
そのことを前提に申しあがるのですが、仮に仕入れ先で選んだ附下げが手作業の高い技術で染められた品で、仕入れ担当者が60万円の価値のするものだと考えて店頭に並べたとしましょう。
とことが、いろんな方にその着物を薦めてもお嫁にいかないとしたならば、その着物は60万円相当の価値が無いということになる訳ですから、店側とすればプライスダウンをしてお嫁入りを決めたいと考えるのが一般的な店側の考え方です。
プライスダウンしたことで、店側が利益が出ない事もあれば損をすることもあるが、在庫がお金に変われば、次に利益を生む商品を買う事がでいます。
その一方で、着物を売りたいがために、商品価値以上のプライスを付けて、大幅に割り引いたように見せかける商売のやり方もあります。
お客様が商品を知らないことを逆手にとった価格トリックで、消費者心理を読んだ販売方法といえるでしょう・・・
最近は物が売れないこともあって、お得感を全面に出した仕掛け商法も少なくないかもしれません。
安く買ったつもりが、買った値段が当たり前の市場価格だった・・・。
着物を知らない人が多く、価格の見きわめが非常に難しくなっているのが私達の業界なのかもしれませんね・・・。
いずれにしれもお安くなる金額のケタが大きいだけに、普通の常識では安心できないことも書いてありました。
その理由として、反物の裏柄がしっかりと染料が浸透していないので手描きではないかもしれないと感じられたみたいです。
こればかりは、想像で判断することができないのでコメントを差し控えたいと思いますが、相談者がそのお店の信頼度を何で判断するかだと思います。
私だったら思っていることをハッキリお店の方に話をして、疑問点を一つずつ取り払っていくでしょう・・・
その会話のやりとりの中で、嘘が無いかを探すと思います。
相談者にメールで返信すべき内容の記事だったかもしれませんが、世の中にはこのようなケースでお店選びや着物選びで迷っている方が少ないないと感じたもので、ブログ記事にしてみました。
何かの参考になれば幸いに思います。
お口直しに、華やかな振袖をアップしてみました。
今日はこれ以上難しい言葉を並べたくないので、写真で心を豊かにしてみてください。
このような迫力のある色合いが本当の振袖だと思うのですが・・・
それでは今日はこれにて終了です。