昨日とは驚く気温差があり、風もあって肌寒さを感じていました。
今月も2/3が過ぎてしまって、気忙しくしている割にはお客様の動きが静かで、思うような結果を残すことが出来ていないことを気に掛けています。
10月に入っても暑さが続いていたことが影響しているのかもしれないが、これまで私たちの着物業界が「袷の時期」「単衣の時期」そして「盛夏の時期」と一年を大きく3ッに分けて“対応する着物を”分けていますが、世界的な異常気象の影響もあって、ガイドラインの見直しが必用とされている感じがします。
何が言いたいかといえば、裏地を付けないで仕立てる着物を“単衣物”と呼んでいますが、温暖化といわれる時代になり、単衣物が着られる時期が長くなってもかまわないと思うようになりましてね~
とは言え、10月19日の昨日の天気だと単衣の着物になるかと思えるが、今日は袷の着物がふさわしいように思えるので、線引きがしにくいところがあります。
考えてみたら真夏でも結婚式の新郎新婦のお母さんは、袷仕立ての黒留袖を着ていたりするので、私たちがかまう必用がないのかもしれませんね。
そこで単衣時期が長くなっていることもあり、神無月の会でもお洒落な単衣物を紹介させていただきたいと思っていますが、数年前からお取引をさせていただいている仕入先に「絹綿交織/結城お召」という着物があることを知り、それがメチャメチャお洒落なので、今日はその着物で単衣物のきもなしをコーディネートさせていただきました。
まず先にその画像をご覧下さい。
【「絹綿交織・結城お召」をコーディネート】
何処が「お洒落なの!」と云われそうですが、こちらの結城お召の素材と色合がとても気に入ってまして、今回の「染帯展」のために仕入れた型絵染のD51の帯で合せてみました。
このコーディネートのに「葵柄」の加賀染め足袋も加えさせていただきましたが、静かな大人の着こなしだと思いませんか。
この結城お召は経糸(たていと)に絹、緯糸(よこいと)に強撚糸と真綿糸を使用した縮(ちぢみ)の着物になります。
大正時代に生まれた、絹綿交織の豊田紬が全身で、茨城県石下町とその周辺で生産される絹綿交織の紬織物とのことです。
生地全体に張りがあるものの手触りは柔らかくシャリ感もあって、他の着物で味わったことの無い独特の着心地を味わうことが出来る着物かと思ってます。
緯糸に強撚糸を使っているので、雨に打たれたりすると幅が縮むので撥水加工を薦めたいとの説明書きが付いていましたが、単衣時期にこの着物を着こなせたら格好いいと思うな~
何故なら、無地感の着物だけに、合せる帯や帯締め帯揚げなどのコーディネートセンスが問われるからです。
【型絵染の帯/D51】
私は紬地に染めた型絵染のD51で合せてみました。
こちらの帯がとても気に入ってまして、同系色でもあることから着物との相性も良くて、おまけに模様が「D51」というのが面白いと思いませんか。
大人の女性の静かな装いとなりますが注目度は高いと思います。
しかしコーディネートはこれで完全かと云えばそうではありません。
最後の仕上げとなる帯締め帯揚げの組み合わせが残っています。
この色合わせは、帯を合わせることよりも難易度が高く、ここを間違えるとお洒落な壊れてしまうので、“たかが帯締め”なんてことは思ってはなりません。
腹をコーディネートしてみたのでご覧下さい。
【最後の仕上げが肝心よ・・・】
一つはこちらの組み合わせ。
帯締めはモスグリーンと、白、爽やか緑、紫とが左右で変われているタイプもので合わせてみましたが、もう一つ違った品の帯締めでも合せてみました。
それがこちらです。
帯揚げは同じで、深いグレーとピンクのラインが入ったもので、画像の左柄に縞柄の帯締めがねじってあるのが見て取れるかと思いますが、帯締め房も変っていて、こちらもお洒落かと思って、二つの画像を用意してみました。
とにかく帯締めと帯揚の色の合わせ方でトータルコーディネートが50点になることもあれば120点となることもあるので、重要なポイントとなります。
記事を書きながら熱くなってしまいましたが、これで結城お召の素敵な着こなしが整ったかと思っています。
25日から染帯展が始りますが、ご自身の着物の着こなしを帯で替えたいと思っていらっしやる方は、お着物をお持ちお持ちいただけたら“なにがしか”のアドバイスが出来るかと思っています。
気兼ねなくご相談ください。
どれでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。