明日の京都出張を控え、早く仕事を切り上げたいと考えていたのですが、昨日から作り始めた3月号の情報紙構成に手間取ってしまって、早く自宅に戻ることが難しい状況となってしまいました。
要領が悪いというか能力が乏しいともいえますが、新しい風を探すというのは本当に難しいことです。
時として自分に魔法が使えたらと思いますが、仮に使えたとしたら、考えることも努力することも感激することも少なくなり、生きている実感を味わえなくなるのかも・・・。
そう考えたら困難だろ思えることに知恵を使わないといけませんね。
新しい風はそこから生まれると信じたいし、心が若返る秘訣だと思っています。
だから諦めてはならないのです。
店は数日前から足元が良くなってきたこともあり、お客様の来店が増え始めていまして、喜べるレバルに達しているとはは云えませんが、少しつづこの店が春に向っていることを感じ始めているところです。
【永治屋清左衛門の着物と帯】

こちらの画像は四月の卯月展に特集を組んでいる「永治屋清左衛門の着物と帯」で、3月号の情報紙に永治屋さんの情報を載せなくてはなりません。
この情報をまとめるのが大きな課題で、永治屋清左衛門と聞いて普通に思うことは、『今時、古風な人の名前だけれど、どんな人』と「?」マークがつくと思わない・・・。
次に何を作っている先なの?
その商品のこだわりは何なの?
この3つの疑問が湧き上がる訳ですが、どうのかまとめてみました。
【「6A」ランクの生糸の価値と永治屋さんの話】
2月号の「あ・うん」で1928年にブラジルの移民計画でブラジルに渡って日本人によって設立された「ブラジル拓殖組合」から製糸会社ができて、それが「ブラタク社」となり、「6A」の最高ランクの生糸(きいと)を作り出していることを話題とさせていただきました。
ついては、四月の卯月の会で「6A」の糸から着物や帯を創作している「永治屋清左衛門」というブランド品を取り上げます。その魅力について解説させていただくものです。
「6A」のブラタク社の最高ランクとされている糸はエルメスのスカーフにも使用させていて、生糸の欠点の少ない順に「6A」「5A」「4A」「3A」「2A」「A」の6段階で格付けし、それぞれの表示が許可されます。この検査は「欠点を探して減点する検査」のため、欠点の少ない「6A」「5A」の生糸は全体の10%程度になります。(「6A」は5%程と聞いています)
「生糸(きいと)」の具体的な検査方法については同規格に厳密に制定されており、
・性状:色や光沢、手触りはどうか。
・形状:糸の不揃い、乱れ、虫食い、汚れなど外観はどうか。
・水分:糸の中にどのくらいの水分があるか。
・平均繊度:糸の太さが平均的かどうか。
・繊維偏差:糸が太くなったり細くなったりしていないか。
・繊度最大偏差:糸の太い細いの差が大きすぎないかどうか。
・節:糸の節がどのくらいあるか。
・再繰切断:糸を繰り直したときにどの程度切断するか。
・伸度:糸がどの程度伸びる
この検査・測定の結果、規定の点数に達したものの順に「6A」「5A」「4A」「3A」「2A「A」の6段階で格付けし、それぞれの表示が許可されます。
このクオリティの高い「6A」の生糸を、京都の永井織物という230年余りの歴史を持つ会社が取り上げていまして、江戸後期に生糸問屋として創業された初代「永治屋清左衛門」の名前をブランド名にして、ここでしか作れない織物の着物や帯を創作しています。
現在七代目の永治屋清左衛門さんが先代からの技を引き継いでいまして、文化庁や美術館の依頼を受けて歴史的染色遺産の復元制作にも関わりながら、織物の訪問着や小紋柄など、唐織りや浮き織りの技法を取り混ぜて、市場であまり見かけることがない着物や帯の制作に努力させています。
二年前に当店で紹介させていただいたとところとても評判がよくて、創業40周年という節目の年に単衣物としてお召になれる作品も多く作られることから、4月25日からの卯月の会にて紹介させていただく運びとなった次第です。⇒4月号に続く
限られた紙面とありまして、この続きを4月号の「あ・うん」に書き込みたいと考えています。
【永治屋さんの着物生地から作る帯留めと「6A」の最高ランクの糸】

店内のは永治屋さんの生地を活用して作った帯留めを、会期中のワークショップような形でお客様に作っていただくことを考えていまして、他にも考えていることがあり、明日、永治屋さんの会社にお邪魔して、私が書いた作文に間違いがないか、他に付け加えることがないか、そしてお客様に楽しんでいただける企画をもう一度念入りに打ち合わせができればと考えWています。
画像の右側は、「6A」の上質ないととなっものですが、この糸から織物でフォーマル着や街着を作っているメーカーは永治屋さんだけとあって、市場で目にされる機会が少なく、私としては会の開催前に“見える化”を測り、その魅力をお伝えすることが目にしたい気持が湧いてくるのではないかとの考えから、店の情報紙に書かせていただきました。
取りあえず明日の出張に間に合ったので、ホッとしています。
どうか4月24日から27日の卯月展を楽しみにしていてください。
明日、永治屋さんと会の打ち合わせをさせていただきますが、何か変更になることや、表現の間違いがあれば情報紙の原稿を訂正して発行させていただくこととなります。
どうかご理解をいただきますように・・・。
早く戻れそうです。
では、今日はこれにて・・・
お休みなさい。