絽の風呂敷と金魚の提げ飾り・そして何かが違う和装業界

 今日はスタッフが休んでいて店は私一人。

模様替えをしたり、22日から始める「お値打ち品の会」の準備をしたりして、店に張り付いていましたが、来客が少ないんですね~

 

何か足りないのだろう・・・

考えさせられます。

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七夕が過ぎたので、一部和雑貨関係を模様替えしてみました。

 

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涼しそうな演出でしょ・・・

この写真は水色の絽の風呂敷(朝顔柄)をタペストリーにして、その前に金魚の提げ飾りを3本垂らしたものです。

 

このようなことをして遊んでいますが、昔に比べると、季節の演出に気を配られる方が少なくなっている感じがします。

気持ちにゆとりがなくなってきているのか、それとも実用性や合理性を求めるようになっているのか、日本の風情が姿を潜め、忘れられてしまうのではないでしょうか・・・。

 

このような季節商品を取り扱っていて、少し寂しくなります。

 

季節商品と言えば、この時期、夏物商品だけで品揃えしている呉服店さんて、ほとんど目にしなくなったと思いませんか?

 

夏物ではない振袖や訪問着などが陳列してあり、夏物が見当たらない店もあるのでは・・・。

 

ブティック世界に置き換えてみるのなら、夏物の商品の横に冬物のカシミヤやコートが並んでいるようなものです。

 

よく考えてみたら、可笑しな話です。

 

これが今の和装業界で、季節に関係なく何でも売っちゃえの考え方です。

これでは店作りの焦点はぼやけますし、地域の人達から頼りにしてこらえる店とは言えないのではないでしょうか・・・

 

その時々の季節に合った商品を品揃えする。

ごくごく自然な店作りだと思うのだが、それができなくなってしまっています。

 

そして、誰も疑問に思わない現実に、寂しさを感じることがあります。

 

夏は夏物が揃った売り場、冬は冬物が揃った売り場となり、季節感があってこそ、呉服店が身近な存在になるのではないでしょうか。

 

着物離れが進む中、これから先のかじ取りがなお一層難しくなっています。

綺麗事を唱えていても、経営が成り立たない時代であることも確かです。

 

だからこそ、理に適った店作りが大切なのではないでしょうか。

 

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コメント

  1. りぅ より:

    始めまして、福島様。いつもブログを拝見させて頂いています。「何かが違う和装業界」を読みました。私は着物歴1年半の初心者ですが、近場にある全国チェーンの呉服店や、地元の昔ながらの呉服店に恐る恐る入ってみてすごく違和感を感じたのが、この点でした。夏物を扱う時期でも常に冬物を扱っている…おおげさかもしれませんが衝撃的でした。店員さんに尋ねると、(浴衣は別として)季節の商品というのは少なく、1年を通して扱う商品が多い、それが呉服屋の常識だ、とさえ言われました。おしつらえに1-2ヶ月の時間がかかるし、できあがったからと言ってすぐ着用するものではないから(タンスの肥やしになる??)というのがその理由でした。でも、洋服感覚の私には不思議に思えます。「いぃな」と思って買った洋服は、すぐにでも着たいもの。夏に冬物を買うという感覚は、正直ないのです。これは呉服業界が一般の感覚とずれている点の1つだと思っていたので、つい書き込みしてしまいました。
    福島様のようなまっとうな感覚を持った呉服屋さんがもっと増えるといぃですね^^

  2. ふくしま より:

    りぅさん今晩は・・・
    「何かが違う和装業界」の記事に対して、貴重なご意見をいただきましてありがとございます。
    このブログを見てくださっている同業者も少なくなく、ダイレフトに疑問に思う点が届いたのではないでしょうか。
    素直な気持ちで問い正せる店になりたいですね。

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