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赤い着物を着た狐さんが振り向いていますが、これは古典的な「狐の嫁入り」という物語を一枚の屏風に押し絵したワンカット映像です。
使われている生地は江戸ちりめんで、なんとも言えない奥深さを感じながら記事を書き始めています。
先に、押し絵の屏風「狐の嫁入り」の全体像をご紹介させていただきますが、この作品は東北地区のお客様の別注品で、承諾を得て画像をアップさせていただいています。
屏風の大きさは片面が高さ47㎝×幅90㎝ それが2面あります。(真っ直ぐにすれば1間巾)
お客様との出逢いがあったのは3月の末日で、メールで押し絵の屏風を紹介して欲しいとの問い合わせでした。
お電話を入れると、「狐の嫁入り」に興味をお持ちであることが判り、ネットで検索していた時に、私のブログを知りご相談をさせらそうです。
しかし、店との距離はあまりにも遠く、どうしたものかと職先に相談をすると、基本形の作品があるので、その映像を見てもらって、お客様のご希望に添う作品を作ることができるとの回答をいただいたのでした。
そして店からの提案が始まりました。
基本形の作品をご覧になられたお客様は、3人の女性が来ている江戸ちりめんの古布を変えて、変化を出したいとのご希望でした。
そして、職先が手にしている江戸ちりめんの生地の画像をご先方に送り、そして、私自身も京都の職先に出向き、一月半近く話し合いを持ち、今回の作品の生地で仕上げることになったのでした。
そして今朝、オーダーメイドの世界のひとつだけの押し絵の屏風「狐の嫁入り」が店に届きました。
請け負った私には責任があります。
厳重にコンポされた荷物をドキドキしながら開け、作品を確認させていただきました。
見事な出来栄えでした。
月夜の夜の花嫁行列です。
花嫁さんはカゴに乗り、お付きの女性が花嫁を気に掛けながら歩いています。
早速お客様にお電話を入れると、仕上がりを待ちかねていたのでしょう、とても喜んでくださいましてね~
私もこのような仕事は初めてで、やり遂げた満足感で胸が熱くなりました。
振り返ると、遠く離れた北国の方から、それもお会いしたことのない人から、今回のようなお仕事をいただけるとは、夢にも思っていませんでした。
私を信頼してくださったお客様に感謝したいです。
ありがとうございました。
どうか、大切にお使いになってください。
しかし、ネットというものは、私に無限の可能性というものを教えてくれます。
毎日キーボードを叩くことは、楽な作業ではありませんが、今回のような出逢いがあるから続けて来れたような気がします。
コツコツ積み上げることの意味を噛みしめることができた一日だったかもしれません。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。