「ゆかた」と「夏着物」の違いを竺仙さんの綿紅梅小紋の萩柄でコーディネート

   ゆかたと着物は同じ形をしていていますが、本来「ゆかた」は湯上りのくつろぎ着で、「着物」はお出かけ着として分けられていました。

しかし近年では両者の境目があいまいになってきていて、どちらかといえばゆかたは外出着に変わってきているのではないでしょうか?

そもそもゆかたは肌着の上に羽織って着るもので、足元は素足に下駄を履きます。

一方、着物は肌着の上に長襦袢を着て、その上に羽織ります。そして足元は足袋をはき、草履か下駄を合わせます。

つまり、一枚の浴衣でも肌着に羽織って素足なら「ゆかた」と呼び、長襦袢を内側に着て足袋は履けば「夏着物」と呼べるでしょう。

また、足袋を履いて長襦袢を着なくても「ゆかた」の着こなしになり、印象も上品なものになりなります。

逆に、長襦袢を着て素足の着こなしはNGで、長襦袢を着るときは必ず足袋をお履きください。

「ゆかた」の着こなしも時代の流れと共に進化しましたが、「ゆかた」をワンランク上の「夏着物」としても着るには、どのようなゆかたでも着物で着れるとは言いにくいものがあります。

その点が悩ましいところですが、これから紹介させていただくコーディネートは「ゆかた」にもなり「夏着物」にもなるものです。

DSC_0002nennkoubaiyukatawoko-dhine-to.JPGこれは竺仙さんから出された萩柄の綿紅梅小紋で、生地の風合いに凹凸を持たせ、藍をベースに染められたものです。

見た目にも涼やかで、風通しも良く流行に左右されないものだと考えております。

DSC_0007hakataorisilyahaltusunnobi.JPG帯は博多織の紗織といいましてメッシュのように織られたもので、風通しのよい単衣名古屋帯を合わせたものです。

画像からの涼感が見て取れるかと思いますが、帯芯を使わすにこの状態でお仕立てを加えるもので、適度な張りもあり着物地にとても適した帯の一つです。

DSC_0001mennkoubaiyukatawoko-dhine-to.JPGこの合わせ方で長襦袢を着て、足袋を履いて下駄か草履を合わせていただけたら夏着物になるものです。

穏やかさな表情からも品の良さを映し出すものがあり、伝統の味に身を寄せることができることでしょう。

この綿紅梅小紋は綿素材のもので、色を多用していないこともあり年代幅が広い着物といえるのではないでしょうか?

なので、お若い年代層のゆかたとして半巾のゆかた帯でコーディネートしてみました。

DSC_0009mennkoubaiwoko-dhine-to.JPGほのかなピンク色が入った単衣博多帯で組み合わせ、「ゆかた」にさせていただきました。

長襦袢と足袋を身に身に着けづに素足で下駄を合わせれば、「夏着物」から「ゆかた」に変身していただけるものです。

お若い人が好まれるカラフルなゆかたと違って落ち着いた雰囲気になりますが、それが返って夏の風情を味わえるものだと思います。

DSC_0010hakataorinoyukataobi.JPGこちらのゆかた帯も通気性の良い単衣帯で、羅織に近いメッシュ状になった柔らか組み方をしていて、長さは380㎝ある長めのもので、ゆかた帯の中では最も長いものではないかと思っております。

このように、綿紅梅小紋は組み合わせ方で「夏着物」にもなれば、「ゆかた」にも対応することができる綿素材の着物で、確かな目を持つ専門家のアドバイスを参考にしていただけると気持ちの良い着こなしができるかと思います。

ちなみに今年竺仙さんから発表された綿紅梅小紋のお値段は税込み¥70.200となります。

一般的なゆかたに比べれば割高かもしれませんが、その品質は間違いものなので安心できるものだと考えております。

今年のゆかた選びに生かしていただけたらと思い、ここに紹介してみました。

では、今日はこれにて・・・
お休みなさい。

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