長年に渡りごひいきいいただいているお客様の中に、厳しい時代に中でも頑張っていると、労いの言葉をかけてくださる方がいらっしゃいます。
そのような評価をしていただけているかと思うと、嬉しく思うところがありますが、毎日、試行錯誤している自分を見ていると、ほんのひと握の着物を必要としている方のために店が存在しているかのようで、頑張っているとは言いにくいものがあります。
時代背景を感じる中で、こだわりのある商品を揃えるようにしていますが、店の品揃えや考え方に迷うことが度々ありましてね~
呉服店さんが少なくなっていることもあるのか、初めてお越しになられる方も多く、着物への価値観の違いに、地域に合った店作りになっているのかと考えさせられることがありましてね~
今日も頭を悩ます相談がありました。
若い女性の方が店に入ってこられまして、”下駄がありませんか?”との問いかけに、季節が合わないもので、念のために、何の着物に合わせるのかを尋ねると、袴に合わせるというもので、草履をお探しではないかと言葉を返すと”それそれ・・・!”。
保育士さんで、園児の卒業式に履かれるとのことでした。
足のサイズをお尋ねすると、25,5㎝とのことで、店の商品で対応できる草履がありません。
ためしにL寸の草履を履いてもらったのですが、無理があることが確認できたもので、ご使用日を聞くと、3月20日とのこと。
誂える選択肢が残っていましたが、時間が足りなくて対応できるものではありません。
そこでお客様に、明日にでも足にサイズの草履を探してみますが、ご予算はどれくらいお考えなのかを聞いてみると、1万円位と言うのです。
その金額を聞いて対応できるものではないと思いましたが、他の店で探してみても、彼女の思いに適う品を見つけることは困難でしょう。
卒園式までに用意ができなければ、困るに違いないと思えたもので、草履に使う合成樹脂と革で作られている物の品質と価格の違い、そして、特殊な品は大量生産で作られていないので、安価な価格帯の品が市場にないことも説明を入れてみました。
ご理解をいただけたとは思いにくいのですが、連絡先をお聞きすることができたので、探してみることにしました。
このような例は氷山の一角で、呉服店が少なくなっていることから、店には着物のことが変わらない方が様々な用件で尋ねてこられます。
お応えできるものもあれば、気持ちが通い合わないこともあり、その度ごとに、私が目指したい着物専門店とのギャップに頭を悩ませます。
お客様は何を求めているのかで店作りの在り方が変わるのでしょうが、そのことだけを考えていては店は立ち行きません。
着物という切り口で,”おしゃれ”や”美”を売る店だとしたら、積極的に着物ファンが存在していると考えられる市場へ攻めて、新しいお客様との出合いを探さなくてはなりません。
とは言うものの、着物初心者に寄り添うことも大切なことだと思っていて、本当に毎日が綱引きをしているかのようです。
そのことに労を使っていることが、おそらくお客様の目から頑張っているように見えるのかもしれません。
早く結果を残したいのですが、その日が来るのはいつのことでしょう・・・
卒業式がちらほら届き始める頃となり、職場の年度末でもある3月は、身を置いた環境から離れる人や、親しい人とのお別れの季節でもあります。
和雑貨を採り上げている店としては、”心ばかりの贈り物”をキャッチコピーにして、来店客を伸ばしたいと考えているところです。
その中でも風呂敷に力を注いでいて、贈物に風呂敷を生かしていただけたらと考えています。
ここにある画像の品は、店の定番品として揺るがぬ存在となっている「いせ辰の綿風呂敷」で、50㎝幅の品となるものです。(お値段は税別¥600)
同じ種類で90㎝幅(税別¥1,800)の品も品揃えをしていて、とても評判のいい風呂敷です。
オンラインショップでも風呂敷を販売しておりますので、参考にしていただけたらと思って紹介してみました。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。