お客様と顔を合わせると暑さの話題。埼玉県で41℃を超えた地域があるようで、度が過ぎた天気に命のあるもの全てが振り回されている感じが致します。
一年で最も暑い中での涙市となり目的のあるか方しかお見えになられませんが、こればかりは致し方ないことなのかもしれません。
私の仕事は室内とあって外仕事に比べたら恵まれておりまうが、それでも体力を消耗するものがあり、何よりも気力がないと勤まらない仕事になっております。
お客様の笑顔というパワーをいただきながら、残された2日間が身のあるものにできればと思っているところです。
この画像は単衣の訪問着として作られたものです。
楊柳(ようりゅう)という単衣用の生地に柄が描かれていて、裏地となる八掛がついておりません。
着ていただける季節は、5・6月頃と、秋の9・10月頃の単衣時期のフォーマル着となるものです。
それをレモン色の袋帯でコーディネートしたもので、流れるような模様が涼しげでしょう。
優しい雰囲気の中にも格調があり、パーティーの席やお茶席などにも対応できるものです。
単衣用のフォーマル着って、附下は多くあっても正統派の単衣訪問着となると皆さんが思っているほど作られていなくて、ここに紹介させていただきました。
こちらの品も涙市の出品品です。
参考にされてみて下さい。
ところで夏場の店作りって暑さに負けてしまうところがありまして、そのハンディーを浴衣関連商品で補っている訳ですが、その市場にも陰りが見え始めていて、一人で浴衣が着れないというのが大きなネックになっているのではないでしょうか。
今や日本人のための着物ではなくなってしまったかのようです。
浴衣を着たいと思っている人の身近に着付けができる人がいれば、浴衣を着てみようと思えるのかもしれないが、その関係性の中で自らが着付けを覚えようとしない人で溢れていることも否定できない現実かと思えます。
これは、一人で浴衣が着れないままに年を重ねていくということで、日本民族の衣装が外国人の衣装みたいになり、浴衣であっても、年に一度くらい和文化に触れるというコスプレ的な存在になってしまうのではないでしょうか?
極端な言い回しかもしれないが、面倒なことを嫌う人が増え続けるとしたら、いずれ着物を所有することがなくなる時代が来るかもしれません。
世の中の人は便利で快適なものを求めていて、そのニーズに応えようとして様々な業種が物やサービスを市場に投げ込みます。
それは個人の生活を豊かにしていくものでしょうが、着物を手にすることを豊かさと捉えている人が少なくなっていることが、とても悲しいです。
そのことにとても危機感を覚えております。
どうしたらいいのでしょうか?
私たちの業界に突き付けられた課題は大きいですが、シンプルに着物が好きな人が着物を作り、着物好きが着物を販売する店を持ち、そして差別化が図れる最高のおしゃれを市場に伝えていく。
消費者はその魅力に惹かれて、着たいと思うモーションを起こす。
物事を下から積み上げて考えることも大切ですが、目指す”てっぺん”から考えてみることも、あっていいのかも・・・
どんな時代であったとしても、どれだけ年を取ったとしても、夢を持って未来を視てみたいものですね。
それではこれにて・・・
お休みなさい。