初めてのお客様が30数年前に求めた黒留袖をお持ちになられ、仕立て直しの相談にいらっしゃいました。
拝見してみると、孔雀が一羽、羽根を広げ金銀の総刺しゅうで模様で、
こらまでに見た事のない立派な留袖でした。
いずれ留袖を着る事が考えられるとの事で、珍しい柄でもあり仕立て直しをおススメさせて頂きました。
所々に見えるシミは直せそうですが、着物の裏地の胴裏(どううら)は茶褐色に変色していて新しい白い胴裏に変えないと、
そうなると洗い張りをして、新しい比翼(ひよく)を付けての仕立て直しになるな~・・・・・
お客様に詳しい説明を
手順は ・しみ抜き
・解き縫い(着物をほどき反物にする)
・洗い張り(着物を手洗い洗濯)
・新しい胴裏と比翼を準備して
・比翼付きの手縫い仕立て
そうなると仕立て直しにかかる費用も9万前後必要になるとを伝え、後日正確な見積もりを出す事にしました。
お客様は、随分費用が掛かるんですね~
それからは、お客様の解りづらい点の細かい説明をすることに・・・・・
納得してお帰りになりましたが、大切な着物だけに気の重たい仕事です。
何故なら、昔の着物は使っている染料も違い、生地も弱く縮む危険性もあります。
又、染料や箔、刺しゅうが劣化していたりして、
作業の途中に考えていなかったハプニングが生じることもあるんですよ。
新しい商品の仕立てと違って数倍もの気を使う再生の仕事。
念には念を入れて事に掛からないといけません。
お預かりした留袖をそれぞれの職先に見てもらい、間違えの無い正確な返事をさせて頂くことに・・・・・
お受けした以上は、その責任は私の店にありますからね~
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