一珍染の几帳「宝船」・そして継続して行く力とは・・・

 春が来たかと思わせるような青空と太陽、実に気持のいい日でしたが、天気予報では今晩から寒気包まれ雪が降るとのこと。

 

暖かい日だっただけに信じられません。

日曜日の朝に飛行機で東京に向かうつもりをしているので、雪の降り方が気になるところです。

 

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ここにアップした映像は几帳(きちょう)というものですが、おごそかで日本の文化を感じていただけるのではないでしょうか・・・。

 

この几帳が何故、店にあるかというと、或るお客様から几帳のオーダーメイドのご相談をいただきまして、希望される大きさの目安にしたいと考え、仕入れ先の商品を店に届けていただいたものです。

 

それにしても見事な几帳でしょ・・・

一点もので、幅が約138㎝あります。

 

 

 

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染めは一珍染(いっちんぞめ)といって、澱粉( でんぷん)に石灰を混ぜた防染糊で染めたもので、模様は宝船。

 

お客様が望まれる大きさにしては小ぶりな感じがしますが、一度ご覧いただいてから、ここの仕入れ先と事を進めて行きたいと考えているところです。

 

ご依頼を受けたお客様は、以前に店で作った几帳(オーダーメイド)をご親戚のお屋敷でご覧になり、ご相談をいただいたものです。

 

これからが腕の見せ所。

満足していただける仕事をしたいと考えています。

 

 

店に一通の封筒が届きました。

いつもお世話になっている仕入れ先のもので、中を開くと、この春で会社を閉じる旨の挨拶文だったのです。

 

信頼していた会社だけに、これにはマイリマシタ。

というより、メーカーと小売店の関係ながら、同じ方向を向いて戦って来た戦友みたいなところがあって、その戦友がリタイヤするということに深い寂しさを受けると共に衝撃が走るものでした。

 

「電話をしてみよう・・・」

そう思った私は、すぐに電話を入れるといつもの担当者の声。

 

少なからず、3・11の震災の影響があったみたいで、力不足を詫びていました。

4月からは規模を小さくし、他にある会社の中で継続して行くとの事でした。

 

厳しい現実を知らされた私は、「強さっていったいなんだろ~」、そんなことをしばらく考えてしまいました。

 

人柄や優しさの集合体では会社は生き残っていけない訳で、我慢と知恵の使い方がこの時代に問われていて、それだけではなく、熱い情熱で守りから脱皮する勇気が求められているのではないか思います。

 

人事ではありません。

経営者はいつも危険と背中合わせ。

優しさと強い信念がないと迷子になってしまうのではないかな~

 

頭の中をそのようなことをグルグル回っていた午後でした。

 

どうか復活する日を期待しております。

 

夜が更けると予報どうり、チラチラ雪が舞落ちてきました。

気温も一段と下がっているみたいです。

 

明日は寒い朝になりそうで、油断をなさらないようにしてください。

 

では、お休みなさい。

 

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