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7月は夏物を消化する季節。なのに、夏物の動きが鈍いのは、量販店などで繰り広げられている「夏物バーゲン」にお客様を奪われているからでしょうか?
それとも着物に興味を持たなくなっているのでしょうか?
考え過ぎると心が沈みますが、戦術の甘さを感じているところです。
バーゲンという単純なものではない、魅力作りの見直しが望めれるのかもしれません。
そのようなことを考えていた時に、一人の女性が店に入ってきました。
挨拶をすると、「ウインドーを見ていたら覗いてみたくなって・・・。買い物は出来ないのですが、見せてください・・・」と、たどたどしい声で私を避けるかのようにゆっくりと浴衣が並ぶコナーへと足を運び始めました。
グレーのワンピースに方からショルダーバッグを対角線に提げ、手にはタオルを小さくたたみ握りしめていました。
汗をかいたかのように濡れた髪が肩まで伸びた丸顔の女性で、果たしていくつの女性なのか判断に苦しむ女性でした。
「歩いてこられたのですか?」と、尋ねると、クレインプール(近くになるプール名)の帰りなんです。
それじゃ、住まいは近くなんだ~
根掘り葉掘り聞くこともできずにいると、仕立て上がり浴衣に手を触れていたもので、「身長はどれくらいあるの・・・」
「148㎝かな~」
「だったら、反物から仕立てた方が着やすいよ。例えばこんな感じの浴衣なんかどう・・・」
そんなやり取りをしていると、彼女が小学6年生である事が判ったのです。
そこで初めて買えない理由が判りました。
キット、店に入るのに勇気がいったことでしょう・・・
その彼女が何度か口にした言葉が「和っていいな~」でした。
最高の褒め言葉で、こんな子が大人になると、きものファンになってくれるんだろうな~
驚きと嬉しさが私の中に混在していましたが、いい機会なので、和雑貨やちりめん細工も説明しながら見てもらいました。
すると、数百円のもので心が動いた品もあったみたいで、「今、100円しかないので、今度買いに来ます!」
なんと可愛いお子さんでしょう・・・
私に気を使ってくれなにてもいいのに、いつか、お母さんと来店していただける日を待つ望みたいと願っております。
可愛い女の子の来店につられ、紺地に金魚柄の綿麻紅梅の浴衣地をコーディネートしてみました。
ブリキのおもちゃを思い出させる柄で、金魚の部分は絞り染めで染めた品です。
その赤をポイントに帯と下駄を合わせてみました。
渦を巻いた下駄の鼻緒が合いますね~
最近ではこのような紺も少なくなって、レトロな感覚を匂わせていますが、それでけに面白さを感じていただくるのではないでしょうか?
暇な一日でした。
明日に期待を寄せ、今日を閉じたいと思います。
それでは、お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま







